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大空の戦士たち(7)同志リエーナカチューシャ 日本軍最新鋭重爆撃機『増税タカイチ』を撃て!【小説】


⭐︎登場人物⭐︎

⭐︎リエーナカチューシャ 女性パイロット ソビエト空軍小隊長 階級中尉
⭐︎セルゲイトクタロウ 若手パイロット リエーナの僚機 階級准尉


リエーナカチューシャとセルゲイトクタロウは、超大型最新鋭重爆撃機『増税タカイチ』を撃墜するため、「ポリカルポフi16」で空へと飛び立った。目的地は日本軍の基地上空。彼らの任務は、この恐るべき新型機を破壊することだった。

リエーナは基地上空でついにタカイチを発見する。離陸する直前のようだ。

セルゲイ「ダメだ!奴を離陸をさせたら!大量の対空機銃を装備しているぞ!」


しかし、その瞬間、大量の日本軍戦闘機が彼らに襲いかかってきた。これらのパイロットは、愛国心を自認する「増税ネトウヨおじさん航空兵」たちだったが、飛行時間が極端に少なく、技術も当然未熟だった。 

リエーナは迷うことなく攻撃を開始した。日本軍の戦闘機は数の上では圧倒的に優勢だったが、技術の未熟さゆえに次々とあっけなく撃墜されていった。彼らはまさに「弾除け」として利用されているだけだったのだ。


しかし、こうして時間を無駄にしている間に、爆撃機タカイチは離陸を開始した。

リエーナ「奴の正面に回って、7.7ミリを撃ち込んでやるよ。」

セルゲイ「ダメだ、間に合わない!」


セルゲイの声が焦りを帯びる。しかし、その瞬間、異変が起きた。巨体を揺らして飛び立とうとした「タカイチ」は、突然、制御を失い、地上に激しく突っ込んでしまったのだ。

リエーナ「やつら、最大搭載量を計算してなかったのか!?
新型爆弾『チョキン税』を積み過ぎたようだな。」
リエーナは皮肉を込めてつぶやいた。

「タカイチ」は、その過剰な兵装に耐えきれず、自らの重みで地面に引きずり降ろされてしまったのだ。

二人は一瞬の静寂の中、無事に任務を果たしたことを実感し、安堵の息をついた。


リエーナ小隊は、見事に超大型最新鋭重爆撃機「増税タカイチ」を撃墜し!?、無事に基地へと帰還した。夕焼けが空を染める中、彼らの小隊機は滑走路に降り立った。

エンジンを切り、機体を降りたリエーナはセルゲイに歩み寄った。

リエーナは何も言わず、そっとセルゲイに近づき、口づけをした。

セルゲイは驚き、そして次第にその顔が夕焼けと同じ赤に染まっていった。言葉を失い、ただ目を見開いてリエーナを見つめるセルゲイ。その反応にリエーナは少し笑いを浮かべながら、彼の肩を軽く叩いた。

リエーナ「セルゲイ、NKVD(内務人民委員部)には余計なことはしゃべるなよ。」

セルゲイは、まだ頬が赤く染まったままリエーナを見つめた。

セルゲイ「どうして?」

リエーナは少し悪戯っぽく笑い、肩をすくめた。

リエーナ「だって、またあの豪華な食事にありつきたいだろう? だから余計なことを言わず、タカイチを撃墜したとだけ言うんだ。」

セルゲイはその言葉に苦笑しながらもうなずいた。

再び豪華な食事を楽しむチャンスがあるなら、余計なことを言わない方が賢明だ。
リエーナや部隊の仲間のためにも。

ソビエトでは、何が生き残るために必要かを常に考えなければならない。

夕焼けの空の下、リエーナの言葉はセルゲイにとって現実的で、同時にどこか心を和ませるものだった。

そして、身も蓋もない結末ではあったが、日本軍の過信と計画性の欠如が、増税と社会保険料の増大する現代の日本と重なりあうのだった。

終わり

エンディング曲↓

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