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会員様寄稿【連続小説】『ラコタ』(3)台湾有事は日本の有事 救出

基地に戻った直人は救助の指揮を取ることとなった。
救出チームが迅速に出動。ヘリを操縦するのは桜林大貴だ。
彼らは海上を捜索し、墜落したヘリの行方を追った。

「機体を発見、大破しています!」
桜林の声が無線から響く。

「了解、乗組員を引き続き捜索せよ。」
直人は冷静に指示を出す。

しばらくすると、救出チームの一人が叫んだ。「あれを見てください!人が!」

なんと、生存者がいたのだ。

「こちらアパッチ、モヒカンどうぞ。」
桜林が無線で報告する。
「生存者を確認、これより救助活動に入ります。」

「こちらモヒカン、了解した。」
直人はじめ、指揮所内の隊員たちがわき立った。

救助活動が進み、緊張感が高まる中、ついに無線が再び鳴る。
「こちらアパッチ、モヒカンどうぞ。乗組員を全員救出、これより帰還します。」

指揮所で歓声が上がり、直人も張り詰めていた緊張感から解放された。

場面はラコタ。
直人と部下たちが無事に戻り、美嘉は喜びの表情を浮かべていた。

「みんな無事で本当に良かった。」
美嘉はそう言って、隊員たちにビールを振る舞った。
「これはウチからみんなに。」

みんなはビールを手に取り、一斉に飲み始めた。
少しぬるいビールだった。
政府の要請で電気代を節約しなければならなくなっていた。
それでも美味しいと喜ぶ隊員たち。その光景を見て、直人と美嘉は微笑んだ。

しかし、X上では墜落の原因について議論が白熱していた。
「墜落の原因は中国のサイバー攻撃だ」
とする書き込みが炎上。
防衛費を増額してトマホークを購入しているのだから、
「中国のサイバー基地を叩くべきだ」
という声が高まっていた。

事態は思わぬ方向へと展開し、物語は続くのだった。

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