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光の戦士たち(7)偽減税議員長尾ひろたか講演会 武田徳太郎の質問から…【小説】

登場人物
祭あつし: 25歳の市役所勤務の若手職員。
武田徳太郎: 20歳の大学生。減税を支持する熱心な活動家。あだ名は武ちゃん
長尾ひろたか: 与党の新人議員。

祭あつしと武田徳太郎は、長尾ひろたかの演説会に足を運んだ。二人は会場の後方に座り、長尾の演説をじっと聞いていた。演説の内容は、政策のアピールや未来へのビジョンについて語るものだったが、減税に関する具体的な話はほとんどなかった。

演説が終わり、質疑応答の時間が訪れた。武田は手を挙げ、マイクを渡されると立ち上がった。

「長尾議員、質問があります。」
武田は力強い声で言った。
「あなたは消費税減税を主張していますが、本当にその意志があるのでしょうか?」

長尾ひろたかは一瞬動揺したが、笑顔を崩さずに答えた。
「もちろんです。私は消費税減税を強く望んでいます。しかし、党議拘束という制約があります。それが実現できない理由なのです。」

武田はさらに問い詰めた。
「それでは、具体的な法案は作ったのでしょうか?」

長尾は一瞬言葉を詰まらせた。
「いや、まだ具体的な法案は作成していません。しかし、それは今後の課題として取り組んでいきたいと考えています。」

武田の目は鋭くなり、声も一段と大きくなった。
「それでは、あなたはただの偽減税議員ではありませんか?口先だけで、実際には何もしていないのでは?」

会場は一気にざわめき始めた。長尾は慌てて反論しようとしたが、混乱の中で言葉を失っていた。祭は隣で緊張しながらも、武田の勇気に心を打たれていた。

騒然とする会場からなんとかその場を脱出した二人は、外の新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

「武ちゃん、よくやった。」
祭は武田の肩を叩いた。「君の質問で、多くの人が目を覚ますかもしれない。」

「ありがとう、祭さん。でも、まだまだこれからが本番だよ。」武田は笑顔を見せながら答えた。

二人は互いに手応えを感じながら、次の行動を考えていた。彼らの戦いは続く。減税を実現するために、彼らは決して諦めることはなかった。

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