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光の戦士たち(番外編)増税メガネと総理大臣補佐官 飛び交う怒声 私は議員ではありません…【小説】

『勇敢な男は自分自身のことは最後に考えるものである』
フリードリヒ・フォン・シラー

岸田の妻によく似る矢田はお気に入りだった。
何か用を見つけては彼女を呼び出すのだった。

岸田:「おはよう、矢田君。すぐに来てくれてありがとう。」

矢田:「おはようございます、総理。緊急の用とお伺いしましたが?」

岸田は眼鏡を外し、少し疲れた表情で言った。
「国民が私のことを『増税メガネ』と呼んでいるんだ。せっかく定額減税してやったのに、彼らは不満だと。」

(当たり前だろう。この男は何もわかってない)と矢田は思ったが
「それは酷い呼び方ですね。どう対処しましょうか?」

「矢田君、定額減税の複雑さを口実に、減税なんてするもんじゃないと、Xで庶民どもに周知徹底してくれ。」

「承知しました、総理。すぐに対応いたします。」

岸田は言った。「君なら信頼できる。よろしく頼むよ。」

矢田はさっそく定額減税に関するポストを投稿した。

しかし、投稿後の反応は予想以上に激しかった。X上では更なる炎上が起こり、国民の怒りは収まるどころか増していた。

数日後、矢田は再び総理大臣執務室に呼び出された。

問い詰められた矢田は、
(世襲が何を言ってるの⁉︎。あなたが考えた定額減税でしょう)

「私、議員ではありませんので」

と言い、部屋を出てしまった。

「なんだ!この成り上がり者が」
と周りの秘書官に当たり散らす岸田の声が虚しく響くのだった。

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