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第215段「紅白の”関係性の無い関連性”」

あけましておめでとうございます。
昨日の大晦日は何年かぶりに一人でstudioで過ごす。
紅白歌合戦を見ながら、年越しそばを食べる。

紅白、今回(令和元年70回)のは、そんなによくなかったと思った(あくまで個人的所感)。
前回(平成30年69回)のは、大塚国際美術館で米津玄師だ!ユーミンだ!!サザンだ!!!サブちゃんだ!!!!とかなり見ていてドキドキしたけど、今回はそんなこともなく。
一応元テレビマンなので、なぜかをひとり分析する。
多分、企画と歌の演出が合ってなかったんだと思う。

例えばウサイン・ボルトのインタビューは必要だったのだろうか?
そりゃボルトがインタビュー答えてくれるのはすごいことなんだけど、それと来年の東京オリンピックは直接的には関係ないし、さらに言えば、そのあと歌った歌手ともそんなに関係ない。

つまり、今度の東京オリンピック盛り上げるために、いろいろスポーツ”的”企画入れました的な、そんなに関係のない関連性を勝手に結びつけ、でボルトって大物が出てくれるから、それで企画的にはよし!として、それとの関係性をあえて誇張して言うことで関連性があるかのように視聴者に見せる演出。

結局、そんな関係性もないのに関連性を作ってしまったような作り手側の勝手な演出は、作り手的な満足なだけで、なんか受け手の見てる方はふと冷めてしまうのだ、と思った。
で、そういう演出が随所に見られると、なんとなく見ている方の熱も次第に冷めてくる。
当然そういう演出は毎回あるし、あっても致し方ない事情は推察できるし、逆に今回もたけしさんの浅草キッドをはじめホットな見せ場は何箇所かあったけど、でも今回の紅白は(いつも楽しみにしているだけに)特に残念に感じてしまった次第。
だって僕の夢の一つは、紅白をNHKホールで生で観ることくらい紅白をレスペクトしているので。

何かを生み出す際の、”関係性の無い関連性”。
自分の思い込みで手前勝手に生み出してしまう”関係性の無い関連性”。
これ、いろんな場面でついやってしまうことなのだ。
当然自分も作り手の端くれとして、自戒を込めて自分に言ってるのだけど。
自分の想いをどう伝えるか?
自分の能力でどう具体化するか?
自分のイメージをどう世界と繋げるか?

令和二年の元旦に、肝に銘じる。

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