vol.61 『人生と研究』

角田陽一郎のメルマガDIVERSE vol.61 2020年11月30日Full Moon
『人生と研究』

ユニバースUNIVERSE(単一の世界)からダイバースDIVERSE(多元的な世界)へ
多視点(バラエティ)でみると、世界はもっと楽しくなる。
それが角田陽一郎の考えるバラエティ的思考です。まさにいろいろなことをバラエティに多元的に多視点で紐解くメールマガジンです。


■Cm■「やりたいことがいっぱいあるのだ」inspired by【最速で身につく日本史】

おはようございます。もう今年も残り一ヶ月になりました。みなさんはいかがお過ごしですか。こんな2020年になるなんて、誰が思ったことでしょう? きっと生涯わすれられない年になると思います。
そんな中で、僕はまさに明日1師走朔日が提出期限の、修士論文の執筆に追われています。かなり危機的状況で、11月半ばからは個人的に非常事態宣言を発令してさまざまな案件を先送りして、執筆に四苦八苦しておりました。その締め切り前日の今日は満月、まさに満ちるように、10万字の論考をとりあえず最後まで書き上げ、なんとかなんとかなりそうです。今は満身創痍、へとへとの満月の朝です。当然、まだ脚注、参考文献、語句の精査、引用等、まだ整理途中ですし、推敲もやってないので、道半ば途上ですが、なんていうか少なくとも到着地点は見えてきた心境です。
一方で、明日締め切りの12月中に発売予定の『最速で身につく日本史』の最終赤入れもしなければ、なりません。われながらよくやっているなあとは思いながらも、まあ、お話をいただけるだけでも嬉しいことなので、身体を大事にしながら、コツコツ地道に、師走を迎えたいと思います。
でも、この前Twitterでも修論執筆で焦ってる深夜につぶやきましたが、

明日と明後日でこれをいよいよ終わらせなければ。
なぜなら、やりたいことがいっぱいあるのだ。
やりたいことがいっぱいあるって、そんなしあわせなことはないって、最近つくづく想う。
やりたいことをやれるだけやって、やりたい人とやりたいことやって、人生なんて、それで、はい、おさらばなのさ。」

まさに、そんな心境です。
てなわけで、今回はメルマガ執筆の時間がなく、まさに修士論文『バラエティ番組の制作システムから検証するテレビの演出効果』の序論をお見せしたいと思います。
これは、僕がまさに一番考えていることですから。


■Dm■「なぜ今テレビのことを考えるのか?【リサーチクエスチョン】 」inspired by【天才になる方法】

なぜ今テレビのことを考えるのか?まずはこの論文のリサーチクエスチョンから、言及したい。まず第一には執筆者自身の経歴にある。論文において自分語りから始めることは、本来ではご法度なのかもしれないが、やはりそこがこの論文の骨格に関わってくることなので、ご容赦願いたい。
執筆者は、1994年に東京大学文学部西洋史学科卒業後、株式会社東京放送(現・TBSテレビ)に新卒で入社した。そして2016年末に退社するまで、22年あまりテレビ番組を制作する制作局に所属し、AD(アシスタント・ディレクター)、ディレクター、総合演出、プロデューサーとして主にバラエティ番組を制作してきた。一方、2009年からは社内にビジネスソリューション部を立ち上げ、そこから社内ベンチャーでネット配信会社goomo株式会社を設立し、テレビ番組とネット配信の双方に携わってきた。その中で培った制作スタイル、演出方法等は、あくまで現場で直接的に経験した事例ではあるが、様々な形態の番組を作りつつも、それらにはある一定の理論・法則が存在するように思える。それを本論では、まず整理・検証して体系化を施し、テレビという存在にマスメディア・ビジネスシステム・文化資源という複合的な観点から、再考察したいと考えるからである。
第二に、ではなぜそのテレビの制作システムと演出効果をな今再考察する必要があるか?である。テレビというマスメディアは、良くも悪くも社会に対して大きな影響を与えて来た。そして広告費の過半を占めるようなビッグビジネスとして日本経済に影響を与えて来た。さらに、さまざまな人気番組、人気タレントを創出して、現代の文化を形成して来た。
そして、それらはこの30年の間に、ライフスタイル、経済状況、IT技術の急激な変化にさらされ、さまざまな変貌を遂げて来たのである。つまり執筆者はその変化する30年にまさにその渦中で仕事としてテレビに触れ、その変化を如実に体験している。その変化の経験を今一度俯瞰的に見ることにより、言語化できるのではないかと考える次第である。
第三に、テレビの中で行われて来た制作システムと演出効果は、あくまでテレビというビジネスモデルの中で、どれだけ社会に影響を与えるか?どれだけの利益を上げるか?どれだけ話題になる番組を作るか?という観点で培われた類にも関わらず、そのテレビの影響力から拡散される、いわゆる“バラエティ番組的現象”は、今や、社会、経済、暮らしの中に拡散され、テレビビジネスが斜陽と言われる中で、むしろ社会全体が“バラエティ番組化”していると感じられるからだ。その自分の所感を確証するに当たって、まずは“バラエティ番組化”の定義をするために、本論でバラエティ番組を検証したいと思っている。


■Em■「テレビ=バラエティ番組 」inspired by【出世のススメ】


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