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vol.17『成功の確率を上げる方法』

角田陽一郎のメルマガDIVERSE vol.17 2019年2月20日Full Moon
『成功の確率を上げる方法』

今回のトピックは・・・
「“まんぷく”に学ぶ、何かを産み出す方法」
「成功の確率は4%」
「自分をセルフプロデュースする」

ユニバースUNIVERSE(単一の世界)からダイバースDIVERSE(多元的な世界)へ
多視点(バラエティ)でみると、世界はもっと楽しくなる。
それが角田陽一郎の考えるバラエティ的思考です。まさにいろいろなことをバラエティに多元的に多視点で紐解くメールマガジンです。

■Cm■「“まんぷく”に学ぶ、何かを産み出す方法」 inspired by【「好きなことだけやって生きていく」という提案】

おはようございます!バラエティプロデューサーの角田陽一郎です。
配信日の2月20日は、乙女座の満月です。
そしてスーパームーン。
話はNHKの朝ドラ『まんぷく』になりますが、皆さんはご覧になっていますか?
今回の朝ドラは“チキンラーメン”を生みだした日清食品の安藤百福さんと妻の仁子さんの半生がモデル。戦前の福子さん(仁子さん)の家族の苦労から、二人の出会いから結婚、萬平さん(百福さん)の不当逮捕など、安藤サクラさんと長谷川博己さんが激動の人生を演じていますね。
2月現在の放送では、昭和30年代のいよいよ“まんぷくラーメン”=“チキンラーメン”が誕生するまでの苦労話が描かれています。
でも、もうかれこれ3週間近く(ということは、週6回放送ですから、かれこれ20回近く)その即席ラーメンが(この名称だって、この二人によって発明されたわけでしょうが)どのような製法で作れば、お湯をかけるだけで美味しいラーメンが食べられるのかの試行錯誤が延々続くわけです。麺の生地の原料から硬さから試行錯誤を経て、ラーメンにスープを粉末状にして練り込んでみたり、麺を乾燥させてみたり、蒸発させたりするけどなかなかうまく行きません。ようやく麺自体を揚げることを思いつき、製品は誕生するのですが、(さらにパッケージデザインを決め、ようやく売ってみても売れない・・・と話は現在も続いているわけですが)、それを見ていて劇中の登場人物同様、毎回まだ出来ないのか、と結構ハラハラと感情移入して見ております。
ちなみに萬平さんが新ラーメンを作る上で打ち出した五ヶ条は、
一、 おいしいこと
一、 安く買えること
一、 便利であること
一、 常温で保存できること
一、 安全であること

この条件に則って即席ラーメンを生み出そうと努力するわけです。この五カ条は食べ物を商品化する際の考え方の基本中の基本で、この五カ条をテレビで見ながら僕はいつも感心するわけです。
あ、ちなみに今この文章はWordで書いていますが、この五カ条を打っていて、最初に「一、」とその文面を入力して、リターンキーを押すと、自動で「二、」と出てきました。でもこの五カ条は「一」の次は「二、」ではなくて「一、」なのです。僕は「二、」を消して「一、」と打ち直し二つ目の文言を書き、またリターンを押すと、今度は「一、」と出てきました。Wordは優秀ですね(笑)。
でも今この行為をして僕は気付いたのです。この五カ条は「一、二、三、四、五」という順番があるわけではなく、「一、一、一、一、一」とすべての決まりに優先順位無く対等に並列しているわけです。「へー、五カ条といっても、順番があるのと、順番が無いのでは、実際に製品を生み出す上で完成したものが変わったんだろうな!」と推察されるわけです。
・・・で、何が言いたいかというと、この僕が感じた五カ条の順番あるなしの違いは、僕が実際にWordで文章を打ってみたから気づいたのです。テレビを見ているだけでは気付いていなかった。つまり実際に自分の手を使ったら気付いたのです。まるで『まんぷく』の萬平さんと福子さんが実際に手を使って“まんぷくラーメン”を生み出す製法にたどり着いたように。それは頭で考えているだけでは、完成しないわけです。頭の中で出てきた思いつきは、所詮想像でしかありません。それに実体を生じさせるためには、結局自分自身が動くしかないのです。そして自分自身が実際に動くと、頭の中で考えていた想像図では想像だにしなかった事象が発生して、その事象によって自分の思考の中でまた何かを気付かされ、その気付かされたことが当初に想い描いていた想像図にフィードバックされて、変化して、そして次のステップが行われるわけです。つまり最初に思い描いていた想像図通りには、完成したものはならないわけです。この文章だってそうです。こんなWordの“くだり”なんて書く前には全く想像だにしていなかった。つまり書き始めると、文章というのは実態が生じるのです。
ならば、僕たちがやれることはラーメン作りでも、文章書きでも、そしてすべてのあらゆる人生の行為(仕事でも趣味でも恋愛でも)もそうですが、実際にやらないと始まらないということなのです。
でも僕たちは、始める前に始まった後を想像して展開を考えますから、それで満足するか、むしろその困難さで始めることを断念するか、なかなか始めないか・・・まあ、要するに実際に何かを生み出すことにはなかなか進まないのです。特に会社の新しいプロジェクトなんて、他人が関わって来ますから、いろんな提案書を書いて、企画書を通して、稟議書を通して、決定伺いを書いて等々、まあものすごく始めるに祭して手間暇がかかります。でも実際始めてみると、当初の提案書とか企画書通りには全く進まないわけです。そしてその行程の途中で、“まんぷくラーメン”が油で揚げるということでお湯をかけるだけで食べられる即席ラーメンとして誕生したように、全く当初の想像図とは違ったモノとして誕生するのです。なので何かの企画を始める時は僕たちは、むしろそれ前提で進めなくちゃいけない。
それがとてもとても重要で、実は何かを始めることの最大の難しさだと僕には思えるのです。
思いつくのは難しい。そしてそれを実行するのはさらに難しい。そしてそれを完成させるのはさらにさらに難しい・・・ってことです。
この文章だってそうです。20日の満月の配信日のギリギリに書いています。本当は書かなきゃいけないってそれこそ何日も前に思っていたのですが、書く前にはまず書く内容を想像して、それをどう構成するかちゃんと想像図ができないと書けないなあ、とか自分の中でやらない自分の言い訳をして、でもそれだともう間に合わないからと、やっと締め切りギリギリに(今は朝5時ですが)書き進めているわけです。でも、今書いているこの文章自体の今書いていることは、実際書き始めなかれば、全く想像だにしてなかったわけです。
てことは、「始めることは難しい」という前提で、僕らはどう生きるか?
その解決策は、結局は、“まずは始めてみるしかない”ということなのです。
だって始めてしまえば、絶対始める前の想像図も、その想像図を思いついた自分の感情も思考も変わるからです。そして自分の周りの人の見方も、感情も、思考も。始める前には想像だにしなかった、周りの人の感想が(良くも悪くも)出てくるでしょう。「こんなはずじゃなかった」だったり、「予想通り、成功したね」だったり、もうまあ周りの人は好き勝手に言います。そしてその言われ方は、自分が事前に想像したのとはほとんど違います。協力者だと思っていた人が冷たいリアクションだったり、思わぬ人からの支援が飛び込んで来たり、それはもう全くもって事前に想像していたのとは違います。僕が普段作っている番組だって書籍だって、僕のTBSを辞めるという行為だって、この文章だって。
もう全くもって想像通りでは無いです。でも始めたから今の形がある。少なくとも始めたから、そのモノは産まれたのです。
ということは、世界のあらゆるモノコトは、そんな試行錯誤を繰り返して、誕生したんだと言えるわけです。
これを読んでいる読者のみなさんは、何を始めますか?何を生み出したいですか?

■Dm■「成功の確率は4%」inspired by【運の技術】

そんな感じで朝ドラ『まんぷく』の話から、この文章は始めることの困難さと重要さという話に流れ着いて来ましたが、(もともとの僕の構想ではこんなことを書くつもりではなかったのですが(笑)、ここまで書いてさらに気付くことがありました。

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