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第75段「せつない夜」

こんなにも楽しいって素晴らしい夜があるように、こんなにもせつないって残念な夜もある。両方ともが人生なんだってわかっていても、残念な夜はそう割り切れないくらいにとても残念だ。
怒りとか悔しさならば、今に見てろよって踏ん切りもつくけど、せつなさってのはそれを原動力にするのもなかなか難しい。

例えば、相手のことを「あいつはアホだ。全然わかってない」って憤る自分は、相手がなぜわからないかわからないわけで、つまり自分も全然わかってない、むしろ自分の方が全然わかってないってことなんだ。
それに気づく夜はとてもせつなくて、このせつなさがいろんなことのやる気とモチベを失わせるってことだけはわかる。

そんな夜は、
なにやってんだろう?
なんでやってんだろう?
どうしてやってんだろう?
って、そんな想いだけがぐるぐるする。
そんな想いがぐるぐるするのが人生なんだってわかっていても、せつない夜はそう割り切れないくらいにとてもせつない。

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