第7段「君の仕事がうまくいかないのは、君が選挙にいかないからだ」

※この記事は2016年9月29日に公開されたものです。

みなさんはお仕事、順調ですか?
会社で自分の企画やプロジェクトを進める時は、関係各所にいちいちお伺いをたてて、了承をもらう必要がありますよね。
極めてまどろっこしいプロセスですが、“日本社会”の縮図である“会社”という、村社会的共同体ではどうしても必要な、仕事のプロセスといっていいかもしれません。
僕も若い頃からそんな「組織の面倒くささ」に、いちいち反抗したりして無駄に闘ってばかりでした。
でも、そんな僕も40歳を超える頃、学んだのです。
村社会で“やりたいことをやる”ことの本質は、“味方を作る”ということを。
それを妥協とひとは言うかもしれませんが、いいのです、結局やれちゃった者勝ちです。
いつぞやからそう割り切るようになりました。
でも今は、さらに僕の中で考え方が進化しています。
「割り切る」というより、自分個人の仕事力を上げるのは、むしろ周りとのつながりを実感して積極的にコミットすることなんだ、と確信しているのです。
今日はこれに気づくとあなたの仕事がうまくいく!……そんなお話です。

ほとんどの個人的なことは、多かれ少なかれ「いろんなものとつながっている」

僕の知り合いに、芸能プロダクションに勤める女性がいます。
以前、その人と何気なく会話していて、自分がよくショッピングする街、二子玉川に新しいシネコンができるという話題になったのでした。
「それは便利になるね」
と僕が言ったところ、むしろ意外な答えが返ってきたのです。
彼女曰く、
「そうすると今よりもっと人が増えて、混雑して、街が騒がしくなるから、いやデス」
とのこと。
それは確かにそうでしょう!
二子玉川は人気のスポットです。さらに混雑するのは間違いありません。
自分がお気に入りの街に新参者が闖入してくると、それを不快に思うことは誰にでも少なからずあることだからです。
でもですね、ここで問題なのは彼女の職業です。
彼女は芸能プロダクションに勤務しているのです。つまり、そのシネコンで上映される映画には、彼女の会社の所属俳優が出演することが、ほぼまちがいなくあります。彼女の会社にとって、所属俳優の映画が見られる機会が増え、ヒットすることは何にも増して嬉しいことです。つまりその街に映画館ができることは、彼女の会社にとってはプラスであり、ひいては彼女の給料が上がる可能性だってあるわけです。
でも、彼女が思った最初の悪印象は、そんな社会のつながりなんて、全然考慮しない個人的な所感話です。
これ、なにをそんな個人的な感想に、真面目くさったイチャモンをつけているのだとお思いですか? でも、この意識の違いが仕事を成し遂げる想像力の差を生むんです。
つまり、ほとんどの個人的なことは、多かれ少なかれ「いろんなものとつながっている」のです。

自分のために、社会をよくする

わかりやすく映画館と、芸能プロダクションのたとえ話をしましたが、実はみなさんのお仕事だって、すべてそうなのです。
あなたが、個人として、あなたが所属する会社などの組織として、成功するためには、社会がより良い方向に行く必要があるのです。
この社会の構造とつながりを、普段からしっかりと認識すること、それが一番のあなたのお仕事の大成功への近道です。
ほとんどの個人的な事柄は、すべて仕事と、そして社会とつながっているのです。
例えば、「よくわかんないから」「候補者知らないから」「政治興味ないから」 と選挙にいかない人もいるかもしれません。
でも僕はこう考えます。
選挙に行くのは、他人事でなく、自分事としていくべきだ、と。
なぜならそれが自分の社会をよくすることにつながって、自分をよくすることにつながるからです。
そういう想像力を持つことが、結局長い目で見て、よい仕事を成し遂げるかどうかにつながっているのです。
もっと言えば、よい人生を送れるかにつながっているのです。
そしてそんな社会の中でこそ、個人の利益も最大化するのです。
あなたの仕事を上手く行かせるためには、例えば、選挙に行くことです。
あなたの仕事を上手く行かせるためには、例えば、書店に行って本を買ってみることです。
あなたの仕事を上手く行かせるためには、例えば、トイレットペーパーが切れたら変えておくことです。
あなたの仕事を上手く行かせるためには、例えば、何かのレッスン中「質問ありますか?」って講師が言ったら、質問してみることです。
そんななにげない自分自身のちょっとした行為から、やがて社会の道徳として「挨拶をすること」や「街をきれいにすること」や「SNSで陰口を叩かない」という規範が生まれていくのだと思います。でもそんな堅苦しく教科書的に考えずに、その規範は他人のためにやることではなく、まずは自分のためにやる!、それでいいんじゃないでしょうか。
なぜなら、すべてのことはつながっているからなのです。


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