第11段「タレントになろうとする人はみんな「すごくおもしろい」」

※この記事は2017年6月17日に公開されたものです。

僕はテレビプロデューサーとして、番組作りに長く携わってきたので、著名なタレントの方々、つまり芸能人や俳優、文化人、アーティストの方々とたくさんお仕事をさせていただいてきました。
そんな方々と仕事して改めて感じるのは、“タレントとは才能”だっていう本来の意味です。芸能界に入ってくるぐらいだから、どんな落ち目の人も人気のない人も、実際にあったり話を聞くと、みんな一芸あるというか、多種多様なタレント力=才能にあふれた人ばかりなのです。
例えば番組の収録前に打ち合わせしていて、あまり話を聞いてないように思えるタレントさんでも、収録が始まると、僕らの演出意図を勝手に汲み取って、むしろ僕らの想像以上におもしろくしてしまったりします。
以前知り合いの構成作家さんが言っていました。
「新しい芸人さんが登場すると、すぐ世間ではおもしろい! つまらない!と感想言うけど、特につまらない!って言われがちな方だって、学校で一番おもしろいレベルの人だからな。その人たちが集まって芸能界に入って、さらに街で一番おもしろいレベルの人がテレビによく出てたりするから、みんな圧倒的におもしろい人たちなんだよ」
僕も本当にそう思います。
特に滑り芸を“売り”にしている方は、つまらないと思われがちですが、むしろそれを“売り”にできるくらい計算しているし、そしてそれを計られないくらい天然に見せられる才能があるから、滑り芸を“売り”にできるのです。

一方でそんな長年のテレビ現場の作業では、一般の方にアンケートを取ったりインタビューをしたり、芸能界にデビューしたい方のオーディションもしたりしてきました。
街で無作為に街頭インタビューする機会もありますが、リサーチ会社に企画を説明して、その企画に出たい方を募集してオーディション面接をやることも多かったです。
オーディションで実際に会って、話を聞いたり、パフォーマンスを見せてもらったり、過去の作品を見せていただくと、かなり優秀な方も多いのです。
ですがその人たちは、まだ世に出てヒットしているわけではありません。
なぜこの人たちも才能があるのに、開花していないのか?
僕は長年そんな人たちを見て来て、ある共通点があると思いました。
芸人や俳優、アーティスト等、名前が世に出て成功しているタレントさんと、まだ世に出てヒットしていない人には、タレント能力以前に、明らかに差があるのです。
これからあげる7つが成功しない人の7つの共通点です。

①成功しない人は、出会いを無駄にする。
②成功しない人は、理由をつけてそれを続けない。
③成功しない人は、他人の目を気にしすぎ。
④成功しない人は、こだわるポイントが夢と離れている。
⑤成功しない人は、テクニック論に走る。
⑥成功しない人は、善悪で判断する。
⑦成功しない人は、私は違うと言う。
タレントとして成功しない人の7つの共通点
①成功しない人は、出会いを無駄にする。
ひとつひとつの出会いを大事にしないで疎かにしがち。大成功している人であればあるほど、デビュー当時から、ひとつひとつの出会いを大切にして、関係性を長く続け、大事にしている。
②成功しない人は、理由をつけてそれを続けない。
成功しない人は、物事をやめるのが得意です。すぐ理由をつけて、物事をやめてしまいます。でも、成功している人は、うまくいかないな、大変だなと思っても、ある程度の長さ継続できる人が多いです。PPAPのプロデューサー古坂大魔王さんだって、ずっと同じような音楽芸を続けてきた結果の、今です。
③成功しない人は、他人の目を気にしすぎ。
成功しない人ほど、妙に他人の目を気にします。まだ誰もあなたのことそんなに見てないよ、って段階からです。逆に、成功する人は、もうちょっと他人の目を気にしたほうがいいんじゃないのってぐらい、大胆に、芸を他人の前で披露します。
④成功しない人は、こだわるポイントが夢と離れている。
成功しない人ほど、妙なこだわりがある人が多いです。あなた、売れてない歌手なのに、給料面を気にしすぎ、売れ方にこだわりすぎなど。成功する人は、自分が本当に大事にしている表現以外のことは、周りに信頼して任せている人が多いです。
⑤成功しない人は、テクニック論に走る。
成功しない人ほど、お客さんに関係のない、テクニックを極めたがります。また、そのテクニックが達してないといけないと思い込みます。成功している人は、技術は手段のひとつに過ぎず、あらゆる方向から目的を達成しようとする人ばかりです。
⑥成功しない人は、個人的な善悪で判断する。
成功しない人ほど、妙な正義感をふりかざす人が多いです。業界に貢献する前から、業界にとってよくない、視聴者のためにならない、などなど。成功している人は、自分の良し悪しとは別に、仕事相手や受け取り手の基準をよく観察して、それに合わせていっています。
⑦成功しない人ほど、私は違うと言う。
成功しない人ほど、どこかで自分を特別だと思っています。つまり、他人の失敗を見ても、自分だけは例外だと思いこんでいるのです。成功している人は、本当に大切な一部のことを除いては、他人のアドバイスに素直に従う人が多いです。

みなさんいかがでしたか?
以上の7つは僕がタレントさんと接して感じたことですが、ビジネスで成功している方とお会いしても、いつも同様な感想を持ちます。
例えば、堀江貴文さんなんて、普段の言説が激しいから、例えば⑥なんてまさに当てはまるだろうと思われがちですが、実際にお会いしてみるとすごく考え方が柔軟で、むしろ他人にめちゃくちゃ気を使う方だなあと感じてしまいます。
つまりこの7つはどんなことでも成功するには必要なことなんじゃないかと思うのです。
僕も日々精進して生きようと思っています。

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