PASS THE BATONに学ぶ丁寧な二次流通の形
Soup Stock Tokyoを運営するスマイルズの現代型リサイクルショップ「PASS THE BATON」の創業から2013年までの物語
「やりたくて、やるべきで、やれること」という考えを追求し、そのユニークなコンセプトやデザインが生まれた軌跡
二次流通のビジネスモデル研究のため、拝読しました。
私にとってPASS THE BATONは丸の内ブリックスクウェア店の店舗を、数回訪れた程度。
当時は「おしゃれな店だな」というぐらいの印象でしたが、昨今流行のフリマアプリ等の価値観と比較するととてもユニークで面白かったです。
流行のものではなく、センスを売る
センスがある、というのは、自分のジャッジがある、という意味。
センスがない、というのは、自分のジャッジがない。だから流行やブランドや情報や誰かの言ったことに頼る。
「売れるもの」「価値のあると言われているもの」ではなく、「自分にとって価値がある」というものを大切にして、モノを選ぶ。
本当に必要なものを必要なだけ手に入れるには大切な考え方だと思います。
モノのストーリーを通じて、出品者と購入者が繋がる
PASS THE BATONは出品者のプロフィール、ストーリーをモノに添えて、そのセンスを共有、共感できるファンがモノの価値を尊重して購入していく。取引や流通にかかる時間や手間も少なくはないですが、より安く買い、より高く売る。金銭的に少しでも得しよう。どうせなら面倒なことは一切抜きで。
という多くの二次流通業界の価値観とは一線を画するものだと思いました。
出品の手間すら惜しみたいという方向けのタイムリーな事例だとこちら
現代ではモノが溢れているし、プロダクトのライフサイクルは驚くほど早くなっています。安く、均質な品質のものがいつでもどこでも買える。モノに対する思い入れも持ちにくくなっています。
そんな中で、あえてモノの価値に向き合い、所有者の持つ再現性のない魅力的なストーリーを適切に訴求できたのであれば、そこは市場というよりも一種のコミュニティとして、モノが流通していくのではないかと思います。
経済合理性や利便性を追求したサービスを否定しているわけではなく、これから流通や購買の価値観や二極化していくように思うのではないかと感じました。
インターネット上のインフルエンサーによるオンラインサロンが流行していますが、その人のコンテンツに関連する私物を出品しても面白そうだなと思います。
こんな感じで
ダンサー仲間は公演やショータイムの時の衣装。舞台関係の仲間ならスタッフTシャツや、ボツになったセットのジオラマとQシート。ビジネス系の人なら書籍とか手帳にご自身の至言を添えて。
あの人とかあの人が出品したら、私買いますから。
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