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前半つまらなかったのにラストシーンが良くてと挽回する映画とそれまでのおもしろかったのにラストシーンが台無しにしてしまう映画

ただのど素人の感想文です。

あと、ネタバレがあると思うので、お気をつけてください。

最近『15時17分、パリ行き』(The 15:17 to Paris)と、『パラサイト 半地下の家族』を観ました。

僕の映画体験は基本的に、映画の途中でその作品に対する評価が変わるといったことは極めて稀で、最初から好きだったら最後まで好きな状態でエンドロールを迎えるし、その逆もまた然りという感じでした。

しかし、上の2つの映画は、映画の終盤でそれまでの退屈な印象を覆したものと、それまでの好印象を台無しにした映画で、たまたま綺麗に分かれておもしろかったです。

繰り返しますが、映画ど素人の感想文です。でもツッコミどころとか違う意見があれば受け入れます。

『15時17分、パリ行き』(The 15:17 to Paris)

僕のクリントイーストウッドは「夕陽のガンマン」から始まりました。その後の西部劇ではない作品も好きです。でも大体暴力な描写があって、それは苦手なのですが。。

クリントイーストウッドの作品は、全て最初から引き込まれるのが傾向だったのですが、この作品は違いました。なんか退屈だなと思いました。主人公たちが子供の頃からのシーンもなんか台詞が芝居が勝ってるし、なんか間延びしている感じがして。なんか物語の進展のテンポが悪い気がしました。

僕はこの主人公3人がテロリストに育つのか?と勘ぐってました。自分のなりたい職業に付けず、不器用で、周りからバカにされ、そのせいで社会に対して恨みを持つようになって、爆発しちゃうという話しかと無意識に予想していました。

最後の展開を観た時に、それまでの映画の前半部分の展開の意味というか意図が理解できた気分になりました。

自分のなりたい職業やポジションに就けなかったからといって人生失敗ではない。先生や人にバカにされても、多少成績がよくなくても、人の役に立つことができる、時には大規模テロを防ぐという大役だって…。

人生は自分の力ではどうにかならないことがある、人は導かれているものだ。的な台詞があったと思いますが、僕自身とても共感するところでした。

また、このタリスだかタレスというオランダとフランスを結ぶ鉄道でテロがあったことはうっすら覚えていますが、そこに居合わせたアメリカ人3人が押さえたということは全く知りませんでした。こういう英雄を紹介してくれたこと、しかも本人が本人役を演じてくれたこと、そして監督がこの本人たちに事実と違うことがないか確認していたということで、事実を割と客観的に伝えてくれたであろうこと、感謝したいです。

ありがとう、クリントイーストウッド、そして英雄たち。

こんな感じで、最後の展開から逆算で前半のシーンがどんどん繋がっていき、最終的には良い映画だと思えるようになりました。

『パラサイト 半地下の家族』

最初から映画の世界に引き込まれ、終盤まで楽しんでいました。いつどういった形でこの嘘がバレてしまうのか、ヒヤヒヤしながら。

僕は本当に血が苦手なので、終盤血が飛び交うシーンは直視できませんでしたが、頑張って最後まで観ました。そのラストシーンが僕には納得できませんでした。

貧乏な主人公が、今度は堂々とあの豪邸に住めるように仕事を頑張って、殺人罪から逃亡する父を迎えたいという形で終わりますが、それが全然共感できませんでした。まずは罪を償わせるのが先なのではないかなーと。何も悪いことをしていないのに、平穏な暮らしと父を奪われた家庭があるわけで。遺族には相当心理的なトラウマもあると思います。

確かに主人公と母は裁判で判決を受けました。父は地下に潜入するので自由を奪われた囚人と同じで罪を償っているのか?とも考えましたが、別物だなと思いました。少なくとも法の下で定められたルールで裁かれ罪を償うべきです。そういう社会的責任から逃げる輩を、何もせずに豪邸で迎え入れたいというのはコメディのオチとしても何もおもしろくないなーと。

また、金持ち家族以外にも、汚い手を使って不当に蹴落とされた運転手さんや家政婦さんもいます。

この主人公の家族は、経済的に貧しい上に人間性も貧相に描写されています。同じ社会的立場の弱く追い出された家政婦とその夫に共感を示さず、犬も引っ叩いたりします。自分たち家族以外のことは、例え対象が自分たちと同様の弱いものであっても、思いやる様子は一切ありませんでした。

その辺の落とし前がつかない状態では、「うんうん、主人公が将来仕事を頑張って、裕福になって、自分たちがかつてパラサイトした豪邸を買って、罪人であるパパを迎えられたら良いな」とは一切思えません。

主人公が真っ当な仕事を頑張ると改心するところまではなんとか理解できたとして、自分たちが破壊した家族が住んでいた家に戻り、犯罪者の身内を無条件に迎え入れてそこで暮らそうなんていう魂胆には、共感できないどころか虫酸が走ります。

「15時17分、パリ行き」とは真逆で、途中までおもしろかったのに、ラストシーンの持って行き方でそれまでの展開も台無しになった感じがしました。

最後に

あくまで好き嫌いの話、趣味趣向の話なので、合っている間違っているもないと思いますが、もしも別の見方を教えてくださる方がいれば大歓迎です。ぜひコメント欄に。

いや、僕にサポートだなんて...僕にお金渡されても楽器に使ってしまうので、、、あなたのお金はあなたのために使ってくださいw