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「俺か、俺以外か」(ローランド著)を読んでみた

ローランドさんはおもしろいなと思っていたものの、自己愛の強いただのナルシストであって、著書なんか読まないぞと、今思えば偏屈な感情で、本書を遠ざけていたのですが、Kindle Unlimitedの対象だったので読んでみることに。だって、人の自慢話って聞きたくないですよね?こんなタイトルだったら読む気失せませんか?笑

でも結果的にめちゃくちゃ楽しく拝読させていただいたばかりか、「もっと人生前向きに捉えよう」と思わせてくれた本でした。特にそう思った理由を2つ書いていきます。

1、人生もっとこだわりを持っていいんだと思わせてくれた


自分の個性へのこだわり

僕は結構神経質なタイプです。このフランスで生活していると特にそう感じさせられますが、日本でも「自分って細かいな...。もっとおおらかにならないといけないかな」と思ったりしていました。でもおそらく細かな点に気づくということに関しては、グラスを並べるにも等間隔でないとだめ、配線コードを見るだけで気持ち悪いというローランドさんには負けるなと思いました。著者は、その性格に関して、ホストとして武器になるとこそ思っておられますが、一切ネガティブに捉えていないようでした。

身に付けるものへのこだわり

それから、タキシードに対するこだわり、ブロンドヘアーに対するこだわり、他人からどう思われようと自分の価値観で自分のこだわりを押し通しているようです。(ちなみに、タキシードはジャージみたいに動きやすくない。動きが制限されるからこそ男の所作が美しくなるという考えはおもしろいと思いました。)自分が欲しいと思ったら手に入れよう。値段が高いとか、まだ必要ないかもと何かと理由をつけて買い控えるのは自分に嘘をつく行為、逃げの行為である、と断じています。

自分のルールへのこだわり

Gacktさんなんかを見ていても思いますが、ローランドさんも独自のルールがあってそれを必ず守っています。そして法律よりも厳しくそれを守ると。なぜなら自分自身に嫌われたくないから。自分もよりよく自分が生きていくためにルールを決めて忘れず守っていくように、iPhoneのメモ帳に記し始めました。手始めに「歩きスマホは絶対しない」「食べスマホもしない」「アボカドは3つ以上まとめ買いしない」とリストアップしました。

2、自分のことを突き抜けて好きになっていいのかもと思わせてくれた

僕は、ローランドさんのことをそんなに深く知っていたわけではないのですが、ナルシスト性が大事なアイデンティティーの一つにもなっているというのはなんとなく知っていました。そして本書にも、タイトルからも推察できるように、彼の自己愛が、時にユーモアを交えて、これでもかというくらい表現されていますが、とても心地良かったです。一見、そこまで自己陶酔できるのはローランドさんが外見も能力も優れている選ばれし人だからできるのだろうと思ってしまいがちですが、ご自身も自分がパーフェクトだとは思っていないと告白しています。性格的にも弱い部分だったり、ずるい部分だったり欠点があるし、失敗もしてきたし、ナンバーワンが取れなかった月もあると。そんなローランドさんを見て(読んで)、自分も自分自身のことを好きになってあげたいなと思えるようになりました。今までは割合的に自分のことを卑下する方が優勢でしたが。

でもこの本はあとがきが一番グッときました。この本は、迷える僕らのために書いたという点です。書籍化の話が最初に来たときは、印税のことも頭にチラついたようですが、成功を収めて欲しいものはある程度全て手に入れた今、人のためになりたいと思うようになったそうです。まだ下積みだった頃は自分のことで精一杯でそういった視点は持てなかった。そしてそういう気持ちで書き始めるとペンがスラスラ進むからおもしろいと。散々自分大好きと本編では書いていますが、それも僕らを勇気付けるためだったり、僕らへの愛だったのかと思うと、僕も彼のファンになってしまいます。まんまと術中にはまっているのでしょうか(笑)

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読書感想文

いや、僕にサポートだなんて...僕にお金渡されても楽器に使ってしまうので、、、あなたのお金はあなたのために使ってくださいw