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焼肉を心ゆくまで食べなかった後悔

20代の頃、焼肉が大好きだった。

しかし焼肉屋で食べると、ちょっと多く食べるだけで結構お金がかかる。
お金が全然なかったというわけでもないのだが、私には奨学金という借金があったので、とにかく貯金を優先させたかったのだ。
家で食べるにしても、心ゆくまで食べるならばそれなりにお金がかかるだろう。
それに、食べ過ぎると太ってしまう。私は太りやすいのだ。
20代前半はこれまでの人生の中で一番太っていたし、太ることはやはり気にしていた。(太ればスーツが入らなくなる→買い直さなきゃいけない→スーツ高い→金がかかる!という理由もあり)

その時の状況や将来のために、お金を遣うことも太ることもためらった結果、一番焼肉を食べたかった時期、かつ、体の状態的に一番思う存分食べられる時期を過ぎてしまった。

30代半ばを過ぎると、食べたい気持ちはあってもあまり食べられなくなり、食べたら胃がもたれることに…。40代の今では、焼肉を食べたいという気持ちさえ失ってしまった。

20代の頃まではケーキも好きだった。
ケーキが食べられるということになればテンションも爆上がり。

通常ケーキを食べると言ったら、1ピースで終わるが、たまに2ピース食べられるとそれはそれは嬉しかった。何ならもう少しいけるぞと思っていたくらいで。

だから、30歳を少し過ぎたところで、「スイーツパラダイス」に行ってみた。

とりあえず3種類のケーキを持ってきて、2つは難なく平らげたのだが、3つ目に入ると、「あれ、なんかもうお腹いっぱいかも…?」となり、それでもなんとか3つを食べきったものの、何だかもう、甘いものがそこまで腹に入る気がしない。
しかし、「これでやめてはせっかくの食べ放題が…」と思い、とりあえずパスタで休息をとるが、そもそもお腹が一杯になりはじめているので、パスタもさほど入らない。
少し休んで、ポップコーンでつなぎ、甘いものが食べたくなるのを待つが、一向に体が甘いものを欲しない…。
結局、そのまま最後までポップコーンだけ食べていたという…。そんな切ない思い出がある。

もっと若いときに行っていれば良かったと思うものの、一応まだ食べられる時に行けたので、そこまでの後悔はない。
ちなみに今では、小さめのケーキ1つがやっとだ。
家族もあまりケーキを食べないので、子どもの誕生日でもクリスマスでもホールのケーキは買っていない。どうせ食べきれないからだ。

全くやらずに後悔したこと、もうすこし早くやっていればと後悔したこと。
焼肉やケーキのこと以外にもちらほらあるが、同じ後悔するにしても、後者の後悔の方がだいぶましだった。
少なくとも心ゆくまでやれたと思えるからだ。

やりたいことを先送りせず、やりたいと思ったタイミングでやれるのがもちろん一番いい。
少し先送りしてしまったとしても、まだできると思ったときにその時の精一杯の力でやれるならば、まだよい。
一番まずいのは、やらないまま、やりたいという気持ちがなくなったり、やれなくなってしまった場合だ。

その時々の状況によって、お金や時間の制約でやりたいことができないということはあるだろう。
そういう場合でも、完全に先に送ると後悔するから、その時にできる範囲内で、やりたいことをやれるといい。

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