旅行について

旅行が趣味とは雖も、昔から旅行が好きだったわけではありませんでした。

むしろ、どちらかといえば「面倒くさい」というくらいでした。

行きたいところもなく、観光に興味もなく、準備も大変だし、計画を立てるのも煩わしいと思っていたくらい。


転機となったのは、mixiで所謂「ネット上の友人」がたくさん増えたから。

人狼のアプリで対戦した人とか、ブラウザゲームで同じチームになった人とつながり、skypeで遅くまで話すようになり、実際に会ってみよう、遊びに行くよということがあったからですね。

「人に会いに行く」という明確な目的ができたから、そこから旅行っていうものがあんまり苦じゃなくなってきたのだと思います。


次の転機は、そうやって「人に会いに行く」中で、山口県に行ったことでした。

失礼だとは思いますけれど、旅行でどこに行くってなった時に「山口県」が目的地になるってあんまりないと思うんですよ。

パッと誰もが思いつく観光地があるかといえば、他にもっと有名どころがありますし、近隣に福岡や広島、四国があるからそっちに目が行ってしまったり。

僕も正直、その時まで山口県にたいした興味はありませんでした。

ただ、「友達がいたから会いに行く」くらいの目的しかなく。


ただ、その中で「秋芳洞」に行ったことで、自分の感覚が変わりました。

単純に「すごい」って圧倒されたんですね。

それまでも、親に連れられ旅行に行き、修学旅行で名所を回りとしてきましたが、純粋に「すごい」って圧倒されたのはあれが初めてです。

そこから、「あぁ、自分の知らない世界がある」「こんな景色を見ずにいるのはもったいない」と思い始めました。

そこから、自分の中で「観光も捨てたもんじゃない」と思い始めました。


次の転機は、中国に留学したことでしょうか。

そこで日本語サロンに参加して、日本が好きな中国人と交流をして、彼ら彼女らがワクワクしながら日本について話しているのを見ると、「あぁ、自分は思ったよりも日本のことを知らない」と思いました。

漠然と「それは日本人として恥ずべき事かもしれない」と感じて、留学中に「帰国したら日本のことを知ろう」「日本のいいところを紹介できるようにしよう」と思い立ったのです。

ちょうど留学も終盤だったので空き時間も多く、日本の名所や美味しいものとかを調べてリストアップしたのを覚えています。

ただ、悲しいことに当時はまだ大学院生。

お金の自由もあまりなく、修論に追われてなかなか旅行ができませんでした。


そして、就職してから。

初めて就職した企業がとにかく休日がつぶれる会社で、連休もほとんどなくただ忙殺される日々でした。

就職して2年目となると、勤務体系が変わって休日がさらに減ったものの給料は上がり、そして年に二回一週間の休みが取れるようになりました。

もうそうなると、やけくそです。

とにかくそこでどこかに逃げてやろうと遠くまで行くようになりました。

このころから明確に「どうせなら47都道府県全部行ってやる」と思って行動していました。

こうなると目的地の選定は割と簡単で、「まだ行っていない都道府県をいかに効率的にまわるか」になるわけです。

4,5日の休みでどう潰すかを考えると、一日一都道府県くらいのペースになり、「交通の便的に宿はどこか」「始点と終点をどこにするか」などになるんですね。

どうしても行きたい観光地を一つ二つピックアップして、後は現地で考えるくらいの計画で動き出すとこれがまた楽しい。

読書がもう一つの趣味だったため、公共交通機関での移動がその時間に充てられて苦ではなかったのも大きいですね。

とにかく一人旅で無茶なペースで行動していました。


そして、ある程度消化されたくらいになると、職場の同僚にもその旅行の話をしていると興味を持ってくれていたので、「じゃあ一緒に行きますか」となってきました。

職場の性質上みんな免許と車を持っていたので、「これなら交代制で車旅行ができる」となり、あれよあれよと計画が経っていきました。

日程のプランニングと宿は任せてもらい、行きたいところと食べたいものはある程度人任せ。

こうなると、今まで自分では選ばなかっただろう観光地に行くことになり、また新たな発見が増えて行きましたね。

酒飲みのグループだったので、自分は飲めないのに酒にも詳しくなってきました。


そうして、全国47都道府県を制覇しました。

これからの目標は、

・もう一度見たいところを見に行く。

・新たに興味を持った観光地に行く。

・人を連れてそこを紹介していく。

が三本柱になっていくかと思います。


このnoteも、その目標の一つですかね。

そんな感じの旅行感の変遷でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?