「このひとつぶのひとつずつに」2024年3月25日の日記

雨の中、駅のホームで来る電車を待ちながら日記を書いている。寮に戻るため、電車に乗らなければならない。そして雨の中、駅から寮まで歩かなければならない。それを考えるだけで気分が憂鬱になる。憂鬱を紛らせるために、日記を書くことにする。今日は長めの日記になる気がする。たくさん書けば書くほど、憂鬱は日々の中に溶けていくから。



今日は大学の卒業式に行ってきた。式に関しては特筆して書くこともなく終わった。多くの人が卒業式に来ていて、この人たちのほとんどがどこかの企業に勤めるのかと思うと奇妙な気がした。この人たちの一人一人に生活があるのだ。

私の大学は、他の多くの大学がそうであったように、入学式が無かった。流れで大学に入って、特に人との繋がりもないまま、そして、私自身それに危機感も覚えないままに大学生活が進み、気がつけば終わっていた。一応卒業式に出てみたものの、入学したという気持ちすらあまり無かった私にとっては本当に味気のないものだった。寂しいとか嬉しいとか、そういう次元ですらなくて、ただ他人事というか、実感が全然湧かない、そしてこれから湧く気配すらないような感覚がした。卒業式で思ったこととすれば、女性の着付けが大変そうであることくらいだ。成人式にも似たようなことを思った。私がこの人格のまま女性になったら、そういう着付けが必要なイベントの一切を拒否していただろうなという確信がある。お金もかかるだろうし、絶対に面倒くさくて行かない。


式自体はすぐ終わり、ゼミの人たちで集まって写真を撮った後はすぐに帰った。時間もあったので、一度実家に戻って夜に寮に帰ることにした。


実家に戻ると弟がいたので、軽く喋る。ゲームをしようと誘ったが、部活があるということですぐに一人になった。

下の階に住む祖母にも会った。卒業したということを伝えると、祖母は嬉しそうで少し悲しそうな表情をした。時の流れの早さについて考えたのだろうか。祖父に線香をあげて、そういえば最近はこうして祖父の写真の前に座ることもなかったなと感じた。祖父は私が物心つく前に亡くなっていて、祖母の住む一階に仏壇が置かれている状態だ。小さい頃は祖母のところへ遊びに行くたびに仏壇の前に座り、手を合わせていたものだ。それがここ数年は全くやっていなかった。線香の匂いも久しぶりに嗅いだ気がした。

上の階に戻って少しすると、母親がパートから帰ってきた。ちゃんと食べているのかと聞かれたので、社食を毎日食べていると答えた。ご飯は美味しいので、食べ過ぎなくらいに食べている。体重が増えないように気を付けなければ。家には何も無かったので、一緒にカップ麺を食べながら『葬送のフリーレン』の最新話を見た。エンディングが最終回風だったのだが、どうなのだろう。時期的には最終回になってもおかしくないが、まだ終わって欲しくない。『葬送のフリーレン』はずいぶんと長い間やっていたから、永遠に続いていくかのように錯覚していたけれど、そうではない。

母親はまた公文の仕事があるらしく、ご飯を食べたらすぐに出ていった。また一人になった。誰もいない部屋にしばらく一人でいた。


家の近くに新しくドラッグストアが出来たらしいので、そこに買い物に行く。寮にいると買い物をしに外に出かける気がなかなか起こらないので、お菓子を買い込んだ。あと、違う店に行って電気ポットも買った。これで部屋にいながらコーヒーが飲める。


夜ご飯は外に食べに行く事になった。弟を駅まで迎えに行き、サイゼリヤに行った。

サイゼリヤのメニューはもうほとんど食べたことがあるが、このラム肉のやつは食べたことがなかったので、食べた。脂が多いのか少ないのか、肉が硬いのか柔らかいのかよく分からなかったけれど、美味しかった。


家に帰ってきてゲームをしようと思ったのだが、Oに渡す無人島のデータを移行するのを忘れていたため、先にそちらをすることにした。

この作業がややこしくて、まずパソコンが重かったり、パソコンとスマホを繋ぐことが出来なかったりして時間がかかり、結局データ移行が出来なかった。寮に戻るのも面倒くさいし、明日研修なのも面倒くさいし、おまけにゲームもできなくて、かなり心が乱れた。雨も降ってるし。


バタバタとして駅まで行き、電車に乗ってこれを書いている。日記を書いている自分に追い付いてしまった。こういう時ってどうするんですかね。ま、とりあえず寮に着くのを待ちますか......。


寮に帰ってきました。雨が降っていたのでもう足元がびしょびしょだ。小さい折り畳み傘しか持ってないから、色々と駄目だ。

同居人はまだ起きていて、私が部屋の扉を開けるとお帰りと言いながらカーテンを開いて顔を見せた。それから卒業式の話をして、研修の話を聞いた。私と話すとすぐに電気を消してしまったので、私が帰ってくるのを待ってくれていたのだろうか。もう遅いので、私も寝ることにする。


一度実家に帰ると、日常が戻ってきた感じがある。私にとってはまだあそこが日常で、寮での生活は日常ではない。いつになったら寮での生活が日常になるのだろう。明日は健康診断がある。

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