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「女王アリを追い求めて」2023年5月12日の日記

Oが大学の研究で使うアリを捕りに朝の10時に近くの公園に集合した。
まさかこの歳になってアリを捕まえに行くことになるとは思っていなかったな。

ちなみに、今日の日記はアリの写真とか虫の写真とかが出てくるので、そういうのが苦手な人は今すぐに読むのをやめることをお勧めします。

探しているのはクロヤマアリという種類のありらしく、比較的メジャーなアリらしい。
公園に着くと早速アリを探し始めたのだが、この歳になってアリを探すことなんてないのでつい笑ってしまう。そういえば、小学生以来アリなんて探すことなかったな。
女王アリを捕る必要があるらしく、そのためには巣を掘って探さないといけない。アリは下に1メートルくらいの巣を作ることもあるから、かなり大変な作業だ。

最初に集合した公園にはクロヤマアリがいたのだが、地面が硬そうで巣を掘ることができそうになかったため、近くの別の公園に向かった。

次の公園もアリ自体はたくさんいたのだが、掘り返すとなると難しそうなものばかりだった。
公園のアリはコンクリートの隙間などに巣を作ることもあるため、なかなか難しそうだ。

もう少し山の方にある公園に向かってみる。一度Oの車に乗り、出発。

ここは結構大きな公園で期待ができる。

早速発見。巣も掘りやすそうであったため、掘ってみる。

ちなみに、写真のようにアリのお尻の部分が膨れている個体がいたのだが、ここに餌を溜めているらしい。固形のものは手(足?)で運ぶのだが、蜜などはここに収納して運ぶらしい。
あと、今の時期はほとんどメスで、オスは早くに死んでしまうというのもOが言っていて面白かった。

30分ほど掘っていたのだが、植えている木の根っこに近づいてきていて、人の植えたものを傷つけてしまうことは避けたかったので、断念。掘った穴を埋めたらかなり元通りになったので良かった。まあ、壊したアリの巣は戻らないんだけど......。

昼になったのでOの車で地元まで戻り、くら寿司で腹ごしらえをした後、またアリの捕獲へ。

アリは若い時は巣の中で働き、歳をとるとより危険な外に出る仕事に就くらしい。人とは逆だな。でも種の保存や繁栄という意味ではアリの方が合理的だよな。
あと、女王アリは普通の働きアリになるアリと、女王アリになるアリの2種類を産むらしい。この2種類は全然大きさも違う。人で言うと小さい赤ちゃんと大きい赤ちゃんを産むようなもので、そう考えるとかなり変わっている繁殖の仕方だ。

また公園で巣穴を見つけたので掘り進めていくが、手はもちろんのこと、目が意外と疲れることに気がついた。黒くて小さいものがずっと視界でウニョウニョと動いているから地味にしんどい。


アリの巣を掘りながら就活とか面接の話をした。
自分が人事の人間だとして、履歴書を手書きにした方が良いのか、全てPCにした方がいいのか、それとも選べる方が良いのかという問題について話し合った。
私は全部PCに限定した方が効率的だという意見を持っていたのだが、Oは選べた方がいいという意見だった。
Oの意見をよくよく聞いてみると、全てPC作成にしてしまうと手書きよりも手間が無くなり、必然的に1人がエントリーできる企業数が多くなる。それによって、少数の人間に多数の内定が集まる形になるのではないかという懸念があるらしい。
例えば、高学歴で物凄いガクチカを持っているような人間が多くの企業にエントリーしてしまうと、その人間にばかり内定が集まり、就活生も企業側も損してしまう、みたいなことが起こりうる。選べることによってある程度熱意をはかることができ、それによって1人の人間に内定が集まることを多少防げるのではないかということだった。
この意見にはかなり納得感があった。
まあ、手書きが面倒くさいという感情に関しては変わらないのだけどね.....。

50センチほど掘り進めたところで、サナギの部屋が見つかり、大量のアリのサナギを入手できた。サナギでも結構嬉しいみたいだ。
しかし、女王アリは結局見つからず、また埋め直しに。

その後もいくつかの公園に行ったが、女王アリは見つからなかった。私は今日だけ手伝ったが、それでもかなりの時間アリと向き合っていたから残念だ。でも今日だけでかなりアリに詳しくなれたぞ。


朝の10時から始めて、雑談も含めると夕方の6時くらいまでずっとアリを探していた。凄い1日だ。こんな1日は多分これから先きっとないだろうと思う。

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