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「小笠原晴香について書いているオタク」2023年3月27日の日記

午前中にWebの面接があったので受けた。

5人ほどの集団面接だったのだが、中には中途採用で応募している人もいて、「2歳と3歳の娘がいて、今は短期大学に通って勉強してます〜」みたいな人と一緒の土俵に立っているのは不思議な気がした。「住んでいる世界が違いすぎるのだが?」と思いながら面接を受けていた。
中途採用の人がいるからか、学生生活のことはほとんど聞かれなかったな。
でも人事の人も大変だよな。30歳の中途採用の人と、20代の新卒で応募している人を天秤にかけてどちらが優秀な人材かを見極めないといけないなんて。ほとんど不可能だと思うし、実際勘やフィーリングでやっている部分もまあ、あるのだろう。

フリー素材みたいなグレープジュース。


午後からは明日の面接の準備などを進めた他は特に何もやっていない。



本当に書くことがなくて困ってしまったので、かなり昔にメモに書いていた「響けユーフォニアム」という作品について書いたものを載せたいと思う。小説の方のネタバレもあるので、アニメだけの人でネタバレを避けたい人はもう読まない方が良いかも。



小笠原晴香という人物について考えてる。

小笠原晴香のような、誰にでも優しくてちょっと頼りなく、支えたくなるような人物は1番上に立つ人物像としてはかなり理想系に近いと私は思っているのだが、おそらく小笠原晴香も周りの人間たちも、それを無意識的に分かって小笠原晴香という立場の人間を作り上げていったんじゃないか。部活動に限らず、チーム運営では小笠原晴香のような犠牲になる人がいる方が実際は上手くまわる。
さらに田中あすかという人物の存在も、小笠原晴香という人物の性格を形成していく上でかなり重要になってくる。

おそらく、あの田中あすか像(完璧な人間、特別な人間であるというもの)も元々本人にそういう性質があったというのは大前提としてあるが、やはり周りの空気が作り上げていったキャラクターみたいな部分はあると思う。集団にいればなんとなく空気が生まれていくし、田中あすか自身無意識的にも集団の思うような田中あすか像を演じるようになっていったのだと思う。

小笠原晴香という優しくて平凡でちょっと頼りない人間が1番上におり、その影で田中あすかという、周りをうまくコントロールできて卓越した演奏技術を持っている「特別な人間」がそれを支える位置にいるというのは、団体としてはかなり理想系に近いものだと私は思う。

そして、この理想形が久美子と麗奈たちにも応用されることになる。
この2人のバランスはどことなく似ている。
面倒見が良いがちょっと抜けている部分のある久美子と、人に厳しく卓越した技術を持っている麗奈という二人の関係は、やはり小笠原晴香と田中あすかとよく似ている。
多分4人とも、元々そういう気質があったのには変わりないが、間違いなく周囲の雰囲気によって変化している。まあ、これは当たり前のように我々もやっていることで、人間の性格とか性質的な部分は周囲の人間関係や立場によって簡単に変わっていくし、変えられていくものだと思う。

うまくできているな、と思うのは、田中あすかが他者に対して興味がなく、良い方向に変えるつもりもない人間であるのに対し、麗奈は割とシンプルに他者を変えようとする部分があって、おそらくそこの違いがチームの向上に大きな役割を担っている。
田中あすかのあの感じだと、おそらくチームの負担が小笠原晴香に集まっていくような状態だったはずだ。
それに対して1個下の中川夏紀、吉川優子ペアではその負担をある程度2人に分散しようとした。しかし、結果は出なかった。おそらく、北宇治の相性的に、「カリスマを支える平凡者」という構図よりも、「平凡なリーダーを支えるカリスマ」という構図の方が適していたのだろう。

そして久美子と麗奈たちの代になるわけだが、ここで2年前の反省が活かされていて、麗奈というチームを向上させようとする強い意志(田中あすかとはここが大きく違う)+そのブレーキ役としての久美子、さらにそれを支え、中立的な立ち位置をとる男性の塚本という三人でチーム運営を行なっていた。

最終的に彼らが1番良い成績を取るのは、北宇治の求める理想形に限りなく近い位置に大前久美子と高坂麗奈という人物がいたからであり、チームが良くなるように人間がうまく配置できたというのもあるのだろう。

主人公が3年目にしてやっと金賞がとれましたという最後は、物語の終わり方として綺麗で、ある種都合が良いとも言えるのだけど、やっぱりご都合主義ではなく、ちゃんと裏打ちされている部分があるから説得力もあるんだよな。

小笠原晴香はチームのために犠牲になる存在であるが、引退の時の小笠原晴香の涙をみると、その犠牲(これは努力とも言えるだろう)は無駄じゃなく、本人の中でちゃんと報われたんじゃないのかなと思う。

チームから押し付けられたチームの理想形としての自分と本当の自分との乖離はどこかで描かれていたが、中川夏紀という人物もおそらくその乖離に悩んでいた人物でもあるんだろうなと思う。小説の方ではそれがかなり徹底して描かれていた。中川夏紀は小笠原晴香よりもチームのために自分を変えていった(もしくは無意識的に変わっていった)人物だ。
そもそも部活動にそんなにやる気ないよというスタンスだったのが、チームの変化に伴ってどんどんと熱心に部活に取り組むようになり、3年では副部長を務めることになった。
おそらくあの代の部長候補というのは吉川優子しかおらず、そうなると副部長は中川夏紀しかできなかったはずだ。
中川夏紀は副部長に選ばれた時点でまたもや変容を強制された。
部長をからかいながらも影では努力家であり、部長を支えるパートナー的な役割を押し付けられたわけだ。1年の時の部活は別にやる気ないよ〜みたいな部分を見るとかなり大きな変化であり、小説の方ではおそらくその大きな変化からアイデンティティ的な問題に悩む中川夏紀の姿が描かれていた。

さらにそれをキャスティングしたのは田中あすかという人間であり、人間に興味ないよみたいなスタンスをとっていながらめちゃくちゃ人間をよく見ている。久美子にもかなり的確な指摘をしてたしな。

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