「とりかえのつかないとりかえしのつかない」2024年8月16日の日記

今日から深夜の2時出勤により、この時間の日記更新となります。もう少ししたら寝るのでね。


昨日は8時くらいに帰ってきてすぐに布団に入ったのだが眠れず、結局一睡もできないまま出勤の時間となってしまった。夜ご飯も食べる時間が無かったので、夜も、そして出勤前も時間が無かったので朝も食べずに出勤した。眠かったしお腹も空いていたけど、なんとかやれた。今日はいつもより楽だったから助かった。

結局お昼ご飯は12時頃に食べた。昨日は15時に昼ご飯を食べたきり何も食べていなかったので、21時間絶食していたことになる。こんなに何も食べなかったのは久しぶりだ。いつかの無人島以来とかじゃないか。


今日は会社に戻る道を運転したのだが、まあ酷い運転だった。事故しなかっただけの運転。仕事となると、ただ運転するだけではなく、荷物を倒れないように運転しなければならないのでさらに難しい。


1時間残業して退勤。残業をすると残業代として金を稼ぐことができるが、私は残業は控えめにしたい。お金が増えることによって増える安心はあるが、減る時間の方を私は大切にしたい。


永井玲衣『世界の適切な保存』を読み終わった。めちゃくちゃ良かったし、おすすめ。多分これから何回も読み返す本だろうな。

最初の「よくわからない話」を読んだだけで面白いことが確定したので、割とゆっくり読み進めた。

『水中の哲学者たち』を読んだ時も思ったが、やっぱり彼女の文章がめちゃくちゃ好きだ。考え方とかももちろん好きなんだけど、文章が綺麗。

私はこの本を、実家に帰るバスの中で、広島から帰る車の中で読んでいた。これを読んでいる途中、風景がいつもよりも綺麗に見えた気がした。風景が綺麗に見えるから、たびたび本から顔を上げて風景を見た。

 夜遅い電車に、大きな楽器を抱えたひとびとが乗り込んでくる。運搬が大変そうだ。演験会か何かの帰りだろうか。「どうにかならんもんかね」。チェロのような大きさの楽器を持ったひとりの男性がため息をついている。「アマゾンと連携とかしてさあ」。残りのふたりは、うん、とか、ああ、とか何でもないような反応をする。彼らは「うん」と言わなくてもよかった。そこに必然性はなかった。だが、そう言ってしまったし、そうなった。ドアが開まる。電車が動き出す前、そのー瞬の静けさ。男性が「あ」と言う。「ちがうか、ヤマトか」。電車が動き出した。ふたりは黙ってそれをただ聞いている。映画だったら省かれるくだりだ。あの日、あの瞬間、あの場所で、たまたま乗り合わせたわたしがそれを聞いて、聞かなくてもよくて、でも聞いてしまった。わたしたちに準備はなかった。取るに足らなく、何でもない、そうでなくてもよかった、ただの偶然の瞬間のひとつだ。なぜかわからないが、わたしはそれをいまここに書いている。あなたはそれを、たまたま読んでいる。

p20

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?