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「小説の神様」2023年12月23日の人間

これを書いている今、かなり疲れていて眠くてちょっと落ち込んでもいて、嬉しさとか高揚感もそれ以上にあって、なかなか感情に整理がつかない状態ではあるけれど、多分今書かないと書けないものがあるような気がするので、頑張って書きます。ちょっと長くなるかも。


今日はあまり眠れない日だった。寝て起きてを繰り返す日。昨日の時点では緊張は全くしていなかったのだが、心のどこかで動揺や不安があったのだろうか。


村田沙耶香招聘イベント「外側に紡ぐ物語」に行ってきた。ここ最近ずっとあわあわとしていたのはこのためです。
これを書くと確実に私の大学が明らかになってしまうので直前まで書くのを避けていたのだが、日記だと隠せる部分にも限界があり、今日の日記でこのことを書かないのは流石に嘘になってしまうので、もう書くことにする。どうせもう卒業しちゃうし。まあ、数日前からずっと村田沙耶香作品を読んでいて感想を日記に書いていたから、気づいていた人もいるかもしれないですが......。


早めに大学に行き、図書館で質問の内容を練っていると、インタビューを一緒にする人から連絡が来た。どうやら事前に村田沙耶香さんと会って少しだけお話ができるらしい。
インタビュアー2人と合流し、職員の後ろをついていくとその先には村田沙耶香さんの姿が......。しかも流れで私が隣の席に座ることになった。こんなことがあっていいのか。
元々かなり人見知りな上に心の準備もできていないまま出会ってしまい、実際に同じ空間にいるという現実をまだ受け止めきれずにいると、村田沙耶香さんの方から私の目を見て「小説家の村田沙耶香です」という自己紹介があった。「知ってるー!!!」と思いながら私からも自己紹介をした。

その後も、部屋に入ってくる人に毎回「小説家の村田沙耶香です」と言っていたのが印象的だった。自己紹介された人も、その周りにいた人も「もちろん知ってます.......」という感じになっていたのが面白かった。毎回自己紹介をするという姿勢だけでも色々と分かるものがある。凄く物腰が柔らかくて謙虚な方だ。


少しだけ喋った後は会場の下見、打ち合わせなど。会場は思ったより広いし、人もそれなりに入っていてかなり緊張度が増してきた。


前の方の関係者席で待機。私の目の前に村田沙耶香さんが座る。ジロジロ見ないように、と思いつつもつい意識はしてしまう。


まずは先生が村田沙耶香さんにインタビューする形で進行していく。


村田沙耶香さんは小説を作るときにまず主人公の似顔絵や服装を決めて、それを一つの水槽に入れ、他の人物もその水槽に入れ、その人物たちの動きを観察して書くというようなことを言っていたのだが、その感覚は凡人の私には全く分からなかった。何か化学変化を起こすために、一度水槽から取り出して、設定を少し変えてまた水槽に戻す、というようなことも言っていた。想像もできない感覚だ。創作作法を聞くと、割と感覚的に書いているように思えるのだが、小説を読むと全然そんな風には見えないのが面白い。

やっぱり「作っている」という感覚では無さそうだった。物語が降りてきて、それを書いているだけというか。本当にどうやって書いているかがあまり見えてこない。

話を聞いていると、小説の中にかなり自己投影的な側面が見られるなと思って、例えば、「幼少期の頃自分の言語を持っていなかった」という村田沙耶香さんの発言は、小説の中では、他者の口調を真似るというコミュニケーションの方法として出てくる。他にも、幼少期の頃の記憶とか、考え方を聞いたり、エッセイなどを読んだりしていると、小説の中の登場人物と近いものを感じるのだが、村田沙耶香さん自身は小説と自分との距離をだいぶ遠いものとして扱っていて、そこも不思議だった。自分自身では全く違うものとして扱っているのか、深層心理が小説の中に入り込んでいるだけなのか。


学生によるインタビューで私も登壇したのだが、あまり上手く喋れなかった。
元々3人で登壇してインタビューを行う予定で、横並びになって順番に質問していく形かと思いきや、がっつり村田沙耶香さんと1対1で対談のような形式になったので驚いた。時間配分とかもあまり分からず、しかも私は1人目だったので、長く話しすぎないように.....!と思っていたら自分のターンがかなり短く終わってしまった。次の人が元々私の考えていた質問もうまく繋いで聞いてくれたので助かったが、もっと話せば良かったと少し後悔。でも私は雑魚なのでこんなものです。

私は創作作法について興味があったので、そこをもっと深掘りできたら良かったのだけど、でも書くときの感覚を言語化するのって難しいだろうし、質問の仕方も難しいな......と思っていたら何も言葉が出て来ず。やっぱり私はこういう表舞台には向いていないな〜とつくづく思う。


その後は茶話会ということで、インタビューを行った3人以外の有志の人も一緒になって色々と話した。昨日会った院生の方たちも来ていた。


茶話会ではもう少しじっくり話す時間があった。院生の方たちが色々と質問していたので、それを聞いた。面白いことが色々と聞けたな。

サインも貰った。嬉し〜。


そこまで詳しく書いていいのか分からないからこれ以上書かないでおくけど(でもめちゃくちゃたくさん書いちゃった。内容についてはあまり書いていないつもりだが、何かしら問題があればすぐに消します)、ただの大学生が世界でも活躍している小説家とじっくり話せる機会なんて早々無く、めちゃくちゃ貴重で夢みたいな時間だった。


まだ書けることもたくさんあると思うけど、それは胸の中にでも秘めておいて、今日はこのくらいで終わるとします。へとへと。

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