「はみ出た花火を見る列」2024年8月3日の日記

同乗した人に、「今日は物量も少ないから全部やってみようか」と言われ、基本的な作業は全て一人でやることになった。任せると言いつつも、最終的に色々と手伝ってくれていて優しい。自分が何もしていないと罪悪感を抱くタイプの方で、私とよく似ている。


私の担当するコースは土曜日がかなり楽なので、いつもより1時間くらい早く帰ってこれた。途中で普通に休憩もしてこの時間なので、土曜日はちゃんと定時で帰れそうだ。


淀川の花火大会が今日あることを退勤の時に知って、自転車で行けそうな距離だったので行ってみることにした。とはいえ、大混雑することは目に見えており、私は人混みが苦手なので、遠くの方から見れる場所を探しつつサイクリングをすることにした。あくまでサイクリングが目的であって、花火は見れなくてもいいか、というスタンスで向かう。


自転車を漕いでいると、良さそうな神社があったので寄った。

良い写真たち。

どこかで晩ご飯でも食べようと思っていたのだが、これといって食べる場所もなく、目的地付近に着いてしまった。仕方なく近くのコンビニでパンとカフェオレを買って公園で食べる。しばらく公園のベンチにいると少し薄暗くなってきて、それに伴って蚊が大量に発生し始めたので、いそいそと退散。河川敷に向かう。


花火が始まる時間を調べずに出発してしまったので、1時間くらいずっと河川敷にいた。大体この辺りなら見えるかも、と思って来たのだが、果たして見えるだろうか。

「ドン!」という大きな音がして、顔を上げる。花火大会がある方向を見たのだが、何も見えない。何回か音がするものの、花火が見える気配がなく、「これは駄目か......」と思って後ろを振り返ると、少し先にたくさんの人が河川敷沿いにいるのを発見した。どうやら、私がいる場所はちょうど建物と重なっているようで、人がいるところからだと見えるっぽい。急いでそちらに向かう。

見えた!

凄い!

綺麗!

これらの写真はカメラで撮り、色々と試しながら撮影して、良いものを厳選した。本当はライブコンポジットというモードで撮りたかったのだけど、何回か試して全然うまくいかなかったので諦めた。全然ピントが合わなかった。

気付いたら人も結構集まってきていた。地元の人が多く来ている感じだ。勘でこの場所を選んだのだが、もしかしたら地元の知る人ぞ知るスポットなのかもしれない。私の隣には小さい子どもを2人連れた夫婦がいて、4人家族の話を聞いていると私まで幸せになった。

たぶん近くで見ようと思ったら凄い人だかりの中を歩かないといけなかっただろうから、人があんまりいない場所で見れて良かった。どれだけ綺麗なものを見れても、人混みの中にいると幸福度が著しく下がってしまうので。

やはり距離も遠いので、小さな花火は見れず、大きな花火を待つ時間も結構あったのだけど、それはそれで楽しかった。はみ出た花火を懸命に見る夜も悪くない。


花火からの帰り道、手を繋いで歩く男女を多く見かけた。どこからどう見てもカップルで、皆幸福そうに笑っていた。私の手は自転車のハンドルを握っていた。この思い出が色褪せないように、花火の色で頭の中を埋め尽くして、みんなの幸せが続くことを願っている。自転車を漕いでいると楽しくなって、鼻唄を歌う。片手で運転してみる。離したもう片方の手は誰かの手を握りしめることなく、夜の湿った空気を撫でている。


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