「裏目」2024年6月18日の日記

雨の中駅まで歩かなければならなかった。早足で20分ほど歩いて、服、ズボン、靴、靴下、全てがびしょびしょになった。タオルを持ってくるのを忘れた。ビニール袋も持ってきていなかった。小さい傘しか持っていなかった。全部、自分のせいであるような気がして、ホームでため息をついた。隣に立っている人が、チラリと私のことを見た。電車の中は混んでいた。中に入った瞬間、眼鏡が白く曇った。知らない人と身体が触れ、触れた部分にじんわりと汗が滲んだ。持っていた傘から雫が垂れ、足元に落ちた。靴下が水分を吸い込んで、足に纏わりついていた。足の親指を上下に動かすとにゅるにゅるとした。大きい駅に着いて、人が移動していく。細かい足の動きを全員が繰り返している。きゅるきゅるとした靴の音が響き、静かになるとドアが閉まる。駅を出て、バス停へ向かう。風に煽られた傘が眼鏡の縁にぶつかって、眼鏡がズレた。コンビニで朝ご飯を買った。まだ少し時間があったからバス停で食べる。屋根から雨が飛び出してくる。細かい水滴がおにぎりに付着している。雨とともに食べる。バスに乗り混み、教習所に向かう。手帳を見せると無料で乗ることができる。手帳はうっすらと湿っている。手帳には自分の顔写真が貼っていて、それを隠すようにして見せる。写真を撮るとき、カメラの少し上を見ていたせいで目線がズレている。できるだけ自分でも見ないようにする。教習では、坂道発進をした。まだ操作に慣れていなかった。二限連続で受けたら少しは身に付いたような気がした。教習が終わると雨が止んでいた。どこかで昼飯を食べてから帰ろうと思い、駅前のつけ麺屋に行った。対応してくれた店員は戸田恵梨香に似ていて、笑顔が素敵な人だった。麺は粘りけのある昆布水に浸かっていて、スープにつけて食べると口の中でチュルチュルとした食感がして美味しかった。会社に戻る頃には足は乾いていて、足取りは軽かった。明日どこかに出かけようと思った。

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