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「遠野遥の文体っぽく日記を書いてみた」2023年1月27日の日記

午前中はずっと「ちはやふる」を見ていた。
2シーズンに突入し、相変わらず面白い展開が続いている。


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 昼になり、弟が帰ってくると、母親の提案で昼飯を食べに行くことになった。

 車の中で、私の母親は手術した右目の話をした。昨日検査だったらしく、結果は芳しく無かったそうだ。もう母親の右目は治らないのかもしれないと思うと、何もしていないのに失われていく身体のことを不憫に思った。何も悪いことはしていないのに、大切なものを失ってしまうのはあんまりだ。しかし、私はまだ若く、身体の一部を失うという経験をしたことが無かったから、本当の意味で母親の気持ちを理解し、同情することは不可能だった。
 右目は完全に見えないわけではなく、ぼんやりとぼやけて見えると母親は言った。3D映像のような感じで、二重になって見えるらしい。3ヶ月くらいすると完全に目の膜(?)が完全に定着し、そこでこのまま治らないか、もしくは治っているかが判断できるらしい。
 車の運転はその目でも問題ないのかと私が聞くと、「車間距離が測りにくいが、多分大丈夫だ、むしろ右目を瞑っていたほうがよく見える」と言った。私は免許を持っているが、ほとんど運転したことはない。これからは母親の代わりに私が運転をするべきだろうか。

 15分ほど車を走らせた先にあるレストランに私たちは入った。
 私が先頭で店の中に入ると、店員が迎えてくれた。店員は私に、この店の利用は初めてかと聞いた。
 私はこの店を利用するのは初めてだったが、母親と弟は以前に2人で来たことがあると言っていたから、私は返事に困った。後ろを見ると、母親と弟が私の方を見ていた。私は再び店員の方を向き直し、利用したことがあると言った。
 店内はお洒落な照明が多く設置されていた。カーテンで入り口が仕切られている、半個室みたいな場所に案内された。私はネットカフェみたいだと言ったが、2人はネットカフェをほとんど利用しないから、伝わらなかった。
 ランチメニューは、メイン+サラダorキッシュ+ドリンクバーという構成だった。私と弟はキッシュを注文し、母親はサラダを注文した。
 キッシュを食べるのは初めてのことだった。
 キッシュの存在自体は、「ともだちコレクション」というゲームで見たことがあったから知っていた。ここにきて「ともだちコレクション」の知識が生きるとは思わなかった。
 「ともだちコレクション」は昔、私たちのクラスで流行したゲームで、目や鼻、肌の色などの容姿を自分で作り、それに名前をつけてマンションに住まわせて育成するというゲームだった。私たちは色々な人間を作ることができ、色々な人間をマンションに住まわせることができた。大抵は家族や友人を作ることが多く、容姿もそれに似せることが多かったが、稀に嫌がらせでその人間の顔の一部を強調して作る人間がいた。私はそいつのことが許せなかった。人間の容姿を侮辱する行為には腹が立ったが、たかだかゲームのことで本気で怒っているということも事実だったから、何も言わなかった。
 マンションの住人は住人同士で恋をすることがたびたびあった。私は自分と、当時恋をしていた人物とを恋人同士にしようと奮闘していたが、ある日、私が恋をしていた人物は、私の下の階に住む友人と付き合うことになった。それ以来私はそのゲームを遊ばなくなった。しかし、今思えばそれはきっかけに過ぎず、私が恋をしていた人物と友人が付き合う前からそのゲームには飽きていたのかもしれない。
 今考えると、「ともだちコレクション」という名前やゲーム性には少々問題があるように思われた。しかし、当時はそのような問題は全く話されていなかったから、当時は問題ではなかったのかもしれない。今の倫理観だと許されないのかもしれないと思うと、人間の倫理観なんて意図も簡単に変わるのだという気がした。じゃあ守らなくていいのかと言うと、決してそうではないと私は思った。

 ピザ、パスタ、オムライスと次々に料理が運ばれてきたから、私たちは順にそれらを食べた。
 ピザにはニンニクの香りのするオリーブオイルと黒胡椒が付いてきていた。そのまま食べても良かったが、それらをかけるとより旨さが増した気がした。
 この店はドリンクバーも豊富で、様々なフルーツのジュースが置いてあった。私は1番にマンゴージュースを取りに行った。マンゴージュースはどの店のものを飲んでも、味が変わらないから好きだった。弟はメロン、母親はグァバのジュースをそれぞれ取っているようだった。
 ジュースを飲んでいると、尿意を感じたためトイレに入った。トイレは入り口付近に設置されていたため、そこまで戻らなければならなかった。
 トイレの前にはカエルの置物が置かれてあり、カエルの置物は薄汚れた体で私を見ていた。私がトイレの中に入るまで、カエルと目があっていたが、私がトイレに入るとカエルは見えなくなり、私がカエルのことを考える必要はなくなった。
 トイレから出るときには、私はカエルに背を向けていたからカエルの方を見ることはなかった。だから、カエルがこちらを向いているのかを気にすることもなかった。
 その後も飯を食べ、ジュースを飲み、話をして、腹がいっぱいになると家に帰った。

 腹がいっぱいになると少し眠たくなり、私は少しの間眠ることに決めた。
 起きると、外は暗くなっていた。私は部屋の電気をつけ、風呂を洗った。しばらく風呂が沸くのを待つと、風呂に入った。
 シャンプーが切れており、仕方なく水で薄めて使った。まだ底の方に残っていたのか、水で薄めても充分に泡が立った。
 風呂から出て飯を食べた。飯はちゃんと3食食べても、次の日には腹が減っているのはおかしいことだと思ったが、何がおかしいのかは分からなかった。
 少しの間ゲームをし、読書をすると、寝ることにした。昼間に寝ていたが、それとは関係なく、眠気を感じていた。もしかしたら眠れないのではないかと思ったが、布団に入った瞬間に眠気に襲われた。私はいつだって、眠りたいときはすぐに寝付くことができるのだ。


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今日は少しだけ文体を変えてみた。小説風の語り、それもさっきまで遠野遥の文章を読んでいたから、遠野遥っぽい文体を意識してみた。
書いてみて分かったが、日記と小説だと書き方というか、書く時の頭の使い方が全然違うような気がするな。あと、細かい動作や心情を書かないと不自然になってしまうから、果てしなく長い文章になってしまうことにも気がついた。
あと、文体を真似していたらなんとなく思ってもないことを書いたり、嘘を交えたりしてしまった。ともだちコレクションの話は割と全部が創作です。


あと、写真は載せなかったので、ここに載せます。

キッシュ。卵の味だった。
雑に撮った写真。

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