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Let's Readの調理法

New Horizonという教科書を使っていますが、Reading教材として、Let's Readという単元があります。今年度の教科書は戦争について、環境問題について、そしてSteve Jobsのスピーチと多岐にわたります。

自分はこのLet's Readを教えるのがとても苦手でした。普通の単元を教えるときは長文のパートでも、左側にスラッシュで分けた英文、右側に対応する日本語がついたハンドアウトを準備して、サイトラを行っていました。

しかし、Let's Readは英文が長く、サイトラをするには不向きです。やったこともありますが、生徒は長すぎて辟易していました。

なんとか長文をよむことを楽しませたい・・・。わからない単語が出てきても、あいまいさに耐えさせて、最後まで読み切らせたい・・・。物語の感想について英語で語り合う体験をさせたい・・・。

ここ最近のLet’s Readの授業は楽しくやれています。生徒の感想も「Let's Readを読むのが楽しかった。」「英語の長文のほうが、メッセージがストレートで日本語よりわかりやすい」「ほかの長文も読みたい」という感想が学期末のアンケートにでてくるようになりました。英語長文の日本語和訳をやるのでなく、長文のメッセージを楽しんだようです。

どんな工夫を?

(1)読む前の活動の充実
まず、pre-reading活動を充実させました。生徒の背景知識(schema)を活性化させます。例えば再生可能エネルギーの読み物を読む前にHow do we produce electricity?という問いを投げかけます。

生徒からいろいろな発電方法が出てきます。その次にrenewable energy とfossile fuelに分け、最後にwhat energy should we use to produce electricity? and why?と投げかけます。資源がない日本はどうするべきか、生徒が考えた後に本文を読みます。

とにかく、新しい知識はもともと持っている知識を基に理解されることが多いので、それらを活性化しないといけません。

(2)読んでいる時の活動の充実

生徒が一度読んだら、わかったことをお互いに確認します。よくやるのは立たせてお互いにわかったことを一つづつ言わせて、5往復したら座る、ということをさせます。出来るだけ英語です。日本語を使ってもいいですが、その時はルー大柴(古い?)みたいに、英語と日本語のチャンポンでもイイよと伝えます。次に新しいペアを探して、同じことをやります。1回目より知識が増えているので、よりスムーズです。

前はここでT or Fなどやっていましたが、ここでは各パラグラフにタイトルをつけるとしたら何?というタスクを出し、大意をつかませるようにしました。

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今回は黒板に。Jamboardを使ってもいいですね。

(3) 読んだ後の活動の充実
ここまで来たら、全文訳を渡して、意味を確認させます。その時に、ナルホドと思ったところ、誰かに伝えたいと思ったところにアンダーラインを引かせます。

読んだ後は、リーディングの教材を今度はライティングやスピーキングの教材として扱います。

今日こういう英文読んだよ、ということを家族に英語で伝えなさい。感想も入れてね、というタスクを与えます。実はこのタスクについては、この長文を読む前に伝えてあります。

アンダーラインを引いたところを中心に、生徒は家族に伝えるようにretellingの練習を始めます。

ここまで来れば、要約文の穴埋めなどかなり高度な問題にも低位の生徒でも取り組めるようになってきます。

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