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コロナ禍における食産業界でのM&A基本戦略とは!?

飲食業界では、補助金等が支給が終わる頃からM&Aが活発化するのではと予想されている。しかしながら飲食業界におけるM&Aとは一体どのようなものなのか!?という疑問が残るのではないだろうか。

コロナの状況下でM&Aを検討すべき?

コロナウイルスにより、長引く不況の中で客足の戻りが悪く、経営に苦しさが出ており、飲食業界では生き残りをかけてM&Aが今後増えると予想されている。コロナ禍の中で給付金や助成金などを利用し、なんとか窮地を凌いた飲食店であっても、度重なる緊急事態宣言により今後の経営をこのまま続けるべきか否かを悩んでいる店舗オーナーは増えていっております。

このままでは経営が思うようにいかず、閉店の危機にさらされてくる、というような悩みを抱える中の選択肢の1つとして挙がるのが「M&A」となっております。
しかしながら、吸収・合併されてしまうことに対してネガティブなイメージを持つ店舗オーナーも少なくないが、飲食業界におけるM&Aは友好的におこなわれてることがほとんどではあります。
飲食経営者であればひとつの知識として、飲食店のM&Aとはどういうものなのかをこの際、1つの方法として頭の片隅に置いていただけると幸いです。

そもそもM&Aとは?店や会社を売るってどういうこと?

M&A(エムアンドエー)とは「Mergers and Acquisitions」(合併と買収)の略で、資本の移動を伴う企業の合併と買収を指した言葉であります。

M&Aには大きく2つあり「事本連携」と「業務連携」があり飲食でよく目にするのは株式を譲渡しすべてのブランドを譲渡する「株式譲渡」や1つのブランドだけを譲渡する「事業譲渡」があります。

例えば、いくつものブランドを経営している会社が、居酒屋事業のみをM&Aする場合は「事業譲渡」となり、複数のブランドすべて、会社そのものをまるっとM&Aする場合は「株式譲渡」ということになってきます。

飲食店の場合は、一般的に株ごと譲渡していくというパターンが多く、事業を譲渡する上でも「事業譲渡」と「会社分割」という方法があるが、基本的には同様のものとなっております。

M&Aには、経営が立ち行かなくなったというネガティブな理由だけではなく、全体の事業を見渡したときに、ある1つの事業だけがマッチしていない、という場合においても「事業譲渡」という形で、より親和性の高い企業へM&Aを行い、事業のシナジー効果を出す場合もあります。

企業が「株式譲渡」した場合には、売却した相手の会社の100%子会社という位置付けになるため、M&A後には勝った方が買われた側の株主にお金を支払っていくという取り引きになってきます。

飲食のM&A、メリット/デメリットとは?

それでは実際に飲食のM&Aにはどんなメリットやデメリットがあるのかみていきます。

売り手のメリット、デメリット

売り手の最大のメリットは、「株式譲渡の場合であれば、株式を売るだけで経営の危機をどうするのか問題から逃れることができる」ことではないでしょうか。売り手が個人オーナーであれば、所得課税とは別に株式の課税だけがされるため、税を払い終わればそれで完了となります。

ほかにも、「数年かけて得る利益を短期間で得ることができる」「撤退にかかる費用の原状回復費や解約予告家賃が不要になる」というメリットがあります。

デメリットは、「売り手の希望通りの条件でM&A先が見つからない可能性がある」という点ではないでしょうか。買い手のニーズをしっかりと見極め、適切なタイミングで売買をすることが必要になってきます。

買い手のメリット、デメリット

買い手のメリットには、「新たな店舗ノウハウや業態を手に入れることが可能」「事業拡大のコスト削減」「新事業の強化」などがあります。

デメリットとして大きく懸念される点は、株式譲渡の場合に「簿外債務」に注意が必要であります。買収した会社が過去に労働問題があったり、訴訟を提示されていたなど、決算書からは見えないリスクが顕在化してくる場合があり、しっかりと買収する前に評価していく必要があります。
また買収したとしても必ずしもシナジー効果が生まれるわけではなかったり、そもそも合併後の従業員のしがらみ等にも時間がかかってくる可能性もあります。

また、既存店舗を購入するため「店のコンセプトをがらっと変えることが難しい」というデメリットもあります。

M&Aで従業員はどうなる?

M&Aの際には、従業員もついてくるため、従業員の将来もしっかりと考える必要があります。M&Aを行うことで従業員はとても不安になってくるので、しっかりフォローし従業員も含めて、事業を再スタートさせていくことが何よりも大切になってきます。

また、会社を譲渡したオーナーも雇用契約という形で、引き続き業務を継続することもできます。これは株式譲渡、事業譲渡ともに可能であり、M&Aをしたからといって、その事業のすべてを手放さなければならないというわけではありません。その為、売却を検討する際には、このような人の問題にもしっかり目を向け推進していくことが求められてくるのです!

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