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コロナ禍で求められるリーダーシップとは!?カッツ理論によりコロナ禍を!!

新型コロナウイルスによる影響が表面化してもう2年が経とうとしております。
アジア地域だけにとどまらず世界に広がっており、打撃を受けた企業も多くなっていますが、その一方でいち早く在宅勤務を取り入れるなど適切な判断をしている企業があるのも事実。マネジメントによって企業姿勢が大きく異なっています。
リーダーたちがマネジメントを行うにあたりどのような要素が必要なのでしょうか。リーダーシップ理論の一つであるカッツ理論に焦点を当てたいと思います。

カッツ理論とは?

カッツ理論とはハーバード大学の経営学者ロバート・リー・カッツが提唱したポジションとスキルの関係性を表したリーダーシップ理論です。リーダーの職位によって必要なスキルの比率が変わっていくというもので、下記のような図がその基となります。

下から上にいくに従い、社内のポジションが上がり、①~③の求められるスキルの比率が変わるのがわかります。ロワーマネジメントでは①テクニカルスキルの比率が高く、トップマネジメントに行くに従い③のコンセプチュアルスキルが大きくなっています。それぞれを詳しく見ていきましょう。

テクニカルスキル

ロワーマネジメントで求められるテクニカルスキルは、業務を行う際のベーシックな知識や技術を指します。営業職であれば販売する商品知識やプレゼン能力であり、製造現場であれば製造技術や機械の操作方法などがそれに当てはまります。
職種にもよりますがロワーマネジメントであれば現場の社員との距離が近いのではないでしょうか。社員をまとめるにあたり彼らの業務内容を理解していることでマネジメントを行いやすいのはイメージがつくと思います。

テクニカルスキルは他にもパソコンを使えるか、語学力はあるか、基本的なメールを送れるかなど掘り下げていけば細かいものもあります。

コミュニケーションスキル

どのポジションでも比率が同じであるのがコミュニケーションスキルです。
ポジションが上がるにつれて接する人は変わっていくかもしれませんが、対人関係は必須であるということがわかります。
コミュニケーションといっても社内だけではありません。社外でビジネスに関わる人やお客様との関係もここに含まれます。

コミュニケーション能力というと花形営業マンのような際立ったトークを想像してしまうかもしれませんが、それが求められるのは一部の業種。基本的には相手との対話を行い適切な対応をできる能力が求められます。直に会って話すだけでなく、オンライン上のやり取りも含まれます。

コンセプチュアルスキル

トップマネジメントに求められるスキルがコンセプチュアルスキルです。直訳すると「概念化能力」という意味ですが、物事の本質を見極めることのできる能力といえるでしょう。

目の前で起こったことに対し、どのような点が自社に影響するのか、どのような行動をとっていけばよいのか。また、今後どのように事態が変わっていくのか等多角的に物事を見て判断しアプローチしていくことのできるスキルです。客観的に観る能力や柔軟性もここに含まれます。

イレギュラーな事態にこそリーダーの素質が問われる

カッツ理論は1955年に提唱されたやや古い時代の理論です。然しながら今回の新型コロナウイルスのように想定外のことが起きた場合にも十分対応している考え方といえます。

これまで感染症の影響は世界でも少なからずありましたが、ずっと日本で生活している立場からするとどこか遠い話のように感じていた筈です。わずか数か月の内に世の中が変わってしまった今回の状況は戦後最大かもしれません。

経済状況に目を見張っていてもこのような事態は誰も想定していなかったでしょう。その時にリーダーがどう決断をするか、これが真の資質を持ち合わせているかがわかる部分です。

先程の図において、どの層にもコミュニケーションスキルが必要と解説しました。会社を潤滑にまわしていくためには欠かせないものです。

特にこの状況下で不安な社員やリモートワークで顔を合わせない環境では人とのつながりを意識する時間がこれまでよりも増えることになります。企業によってはいち早く、かつ定期的にトップがメッセージを発信している企業もあります。

コロナ禍の状況で業務を行う社員を労い、引き続き一緒に立ち向かっていこう、と一言発信するだけでも社員の心持ちは異なります。久々に出社した時に顔を合わせた場合やリモート会議でも同様です。「どう、元気?」「お子さんは学校始まった?」など誰もがこれまでと異なる環境にいるからこそ一言の会話が大事なのです。天気の話と同様、何気ない言葉ですが次の導入(会議であればその会議にスムーズに入っていけるか)がより円滑になるでしょう。同様に社外の人やお客様に対する対応も同様です。コロナに対する自社の影響・姿勢と今後の影響を的確に伝えることで安心感と信頼を与えます。スターバックスコーヒージャパン株式会社など対策や姿勢を定期的に開示しているのが良い例です。

コンセプチュアルスキルがこの先を左右する!?

そしてより高度なスキルであるコンセプチュアルスキルが企業経営の要となります。

状況に応じていち早く動いた企業、今でも停滞している企業の分かれ目は何だったのでしょうか。業界ごとに傾向は違いますが、1つの業界の中でもその差は出ています。
たとえば、最も影響を受けた業界の1つである外食産業。外出規制のために利用者が大きく減っていきましたが、テイクアウト導入について早いお店は即座に始めていました。お店で直接渡すテイクアウトだけでなく、Uber Eatsを導入したり、また、クラウドファンディングで資金を募るお店など各自今の状況を打破するために行なうところもありました。

また、クラウドファンディングのリターンはお店によって様々で、将来の食事券を渡すところもあれば、現在お店にある在庫食材をリターンとするお店もあります。今までとは異なる形で顧客を確保するため、工夫する企業は各自動いていたのがよくわかる例です。
そもそもUber Eatsのシステムも、クラウドファンディングも元からあるものです。これを自社につなげてどう活用していくか。これを判断できるリーダーとハードルが高く二の足を踏んでしまうリーダーがいたことでしょう。ここで重要だったのはタイミングと実行力です。

コンセプションスキルを持ち合わせているリーダーは、外出規制が出た時点で、あるいはコロナ感染者が増えていった時点で先を見据えていたはずです。この状態が続けばどうなるか、ヒトとモノの動きが止まればどうなるかを試算し実行に動いたかが現在も影響していることだと思います。

幸い今の時代はネット環境が整っています。これをどう活かしていくかが大きなターニングポイントとなったのではないでしょうか。

カッツ理論の提唱するリーダーシップでコロナ状況下を切り抜ける

経営と社員を守る施策をどう打ち出していくかが今後の焦点になります。リモートワークについて挙げるとすれば、即座に対応した会社と全く変わらない会社が存在していました。業務上出社する必要がある業種であればこれに当てはまりませんが、本来リモート可能であるのにハード面が整っていないという会社は少なくなかったでしょう。インターネットだけでなく、社員に支給するPCが準備できない(或いはしない)ために社員を出社させるのでは感染リスクを高めるだけです。意外とここを渋る会社もあったのではないかと思います。
言葉は悪いですが、昭和の考え方を引きずっていると「顔を合わせないと仕事にならない」等と言いかねません。業務は大事です。
しかし、社員を感染リスクに晒して勤務させるというのでは社員の士気は下がりますし、何より会社への信頼度も下げてしまうことにつながります。

リーダーは経営上の損得も必要ですが、人に関わる価値判断も欠かせない判断となります。今回売り上げが大幅に減ったことにより経営が苦しい企業もあるでしょうが、そこで即座に人件費を減らすのでは社員の信用を大きく失います。出社を制限して社員やその家族を守りながらも、この苦しい状況を切り抜けられるよう適切な経営判断を行なっていく。そのようなリーダーが現在望まれています。なお、そのように動くことができなければ企業の存続すら難しいこととなてくると感じます。

カッツ理論は割と古いリーダー論の一つですが現在にも通ずるものがあり、ポジションが上がるにつれてスキルの幅が変化していくことには十分納得がいくものだと思います。
ご自身はどうであるか、また現在の上司やトップ層がどうであるかを考え、今後どのようなリーダーを目指していきたいかの指針になるものです。

3つのスキルをそれぞれのポジションで最大限に活かすことがこの状況下を切り抜けるポイントとなっております!

共にコロナ禍を切り抜けれ、今後の経済活性化に寄与できれば幸いです。

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