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コント#1「CMオファー」

とある日の事だった。ある有名俳優はとあるスポンサー企業の営業部長と楽屋で話をしていた。
どうやらCMのオファーみたいだ。俳優にとってドラマ・映画・バラエティー色んなものに出ているが、何故かCMのオファーが来なかった。不思議なものだった。
でもそんな自分にオファーが来ることはありがたい。そう思いながら、書類に目を通しながら話を聞いていた。

俳優「なるほど。つまり、この新商品のCMキャラクターになってくれと」

少し営業部長は恐縮しながら

部長「そうです。その新商品に、工藤さんがぴったりだと思いまして」

すると、俳優の隣にいた女性マネージャーの携帯がなった。マネージャーはそれに出て

マネージャー「はいもしもし。はい、その件ですね」

マネージャーは一旦楽屋を後にしていった。その間に二人きりになり、チャンスだと思ったのか

俳優「ねぇね。これギャラいくらなの?」

部長「え?」

この俳優は若いのにも関わらず、とてもお金に汚い人物で、前にもギャラが安いという理由で、ドラマの主演を辞退している。そんな男だからこそCMオファーも来ないのも理由が分かる。
すると部長が紙に書き、手で少し隠しながら見せた。すると目を見開いて

俳優「そのくらいだったら、受けてもいいよ」

なんてクソな返事なんだ。こいつはいかにもクズに相応しい男だ。すると部長が深く頭を下げて礼を言っている。
しかし、不思議な話、こんなことを言われているのにも関わらず、部長が怒っていない。その理由はまだこの男は気づいていない。俳優は少し気になることがあり

俳優「あのさ。共演者って誰なの?まだ聞かされていないけど」

すると部長が少し悩んだ顔になり

部長「そ、それがですね」

俳優「何よ」

少し俳優が戸惑った顔になる。なんだこの顔はと思っていると、部長が重い口を開き

部長「それがですね。宇宙人なんです」

俳優「なるほど。宇宙人・・・え?」

部長「実際に捕まえた宇宙人と、やってもらいます」

すると部長が誰かを呼び出した。すると楽屋にマジの宇宙人が入ってきた。

宇宙人「わ・われ・われ・われ」

俳優「なんだこいつ。われしか言ってないじゃねぇかよ」

少し俳優がキレながら言うと、宇宙人が普通の言葉で

宇宙人「てめぇ殺す」

と言ってビームを出そうとし始めてようとする宇宙人。俳優は楽屋から出ていき逃げていった。

部長「やっと言ってくれたよ。あいつに誰がオファーするか馬鹿野郎」

そして宇宙人の着ぐるみを外す、マネージャーであった。実はこの部長はマネージャーの直属の上司だった。

マネージャー「部長、ありがとうございました。あいつ嫌いだったんで、これで辞める口実出来ます」

~終~

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