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【昔話】ものには名前を書きましょう

私の幼少期のころの思い出話、第3弾。

前回と話が続いているので、読んでいない方は2話からどうぞ。


母が近所のイオンで車を無くしてから、すぐのお話。


幼いころって親から様々なことを教わりますよね。
例えば、箸の持ち方や横断歩道の渡り方、挨拶の仕方。

その中の一つに、"自分の持ち物に名前を書く"というものがあります。特に、私が小学生のころは教科書から鉛筆まで全てに名前を書かされていました。
これは、持ち物に名前を書くことで他人の物と区別することができ、無くしても持ち主のところへ返ってくるから。という理由です。


そう、ここから前の話と繋がります。

母が車を無くしてしまったという経験から、
お母さんの車に名前を書いてあげよう!という考えに至った私。
日々の教えを守る良い子ですね。

名前は見てわかりやすい方がいいですから、助手席のドアにでかでかとフルネームを書いてあげたい。
ペンなんて持っていなかったので、その辺に落ちていた石を手に持ち、
全力でギギー--------ッと母の車に名を刻んでゆきます

いつもの癖で、母ではなく自分の名前を書いてしまったけど、まあいいでしょう。

作品を完成させた巨匠のように満足げにサインを見ていると、姉が私に気づいて近寄ってきました。


「あー----!!!柿ちゃん、いけないんだー----!!!」
車に書かれたサインを見て、姉がいきなり耳元で叫び出します。
なんだなんだ、うるさいな。

「おかあさー---ん!!柿ちゃんが悪いことしてるぅー----!!!」
姉は叫びながら、母を呼びに家の中に走っていきました。

え、悪いこと?
そんなことしてない!バカお姉!
そう思いながらも、もしかして怒られることをしてしまったのか?!とソワソワし出す私。


姉が得意げな顔をして、母を連れて帰ってきました。
このまま怒られてしまうのか?!と、サインで使った石を握りしめて立ち尽くす私。

すぐに母が車のサインに気づき、私と私の手に握られた石を見てハッとします。

「これどうしちゃったの?!柿ちゃんがやったの?!」
正解です。だって車に私の名前書いてあるもんね。

私はしどろもどろに経緯を説明します。
「お母さんが…イオンで車を無くしちゃったから…名前を書いてあげた…」


「・・・アハハハハハ!!!🤣」
状況を理解した母が爆笑しました。

こんなかたちで日々の教えを守った私が面白かったのでしょうね。
怒られるのか?!と怯えていた私は、母が笑ったことにつられてにっこり。
てっきり私が怒られると思っていた姉は、きょとんとしています。

うちの母の良いところは、子供の失敗をむやみに怒らないところですね。


そしてそれから数カ月間、
母は巨大な娘のフルネームが書いてある車で通勤していましたとさ🚙

ちなみに、母はそれ以来車を無くすことはありませんでした。
みなさんも、ものには名前を書くことをおすすめします😊


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