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歌舞伎『義経千本桜』「鳥居前」「道行初音旅」「河連法眼館」(Aプロの一部とCプロ)

2022年10月9日、国立劇場に『義経千本桜』を観に行きました。
本日は、尾上菊之助が、忠信(源九郎狐)を演じる「道行初音旅」「河連法眼館の場」のCプロ(四段目)でした。10月10日に観たAプロ(二段目)の「鳥居前」の感想もあわせて書きたいと思います。
筋書を見ながらの個人的なメモと感想です。

■鳥居前(Aプロ)
義経が都落ちする際に、弁慶は同行を許されるが、静御前は同行を許されない。義経は、静御前に形見として初音の鼓を渡し、梅の立ち木に縛りつけて出立しようとします。
歌舞伎を見ていて、結構縛られる場面がありますが、様式美のような部分もあるのでしょうか?お姫様が出てくる他の作品をあまり観たことがないのですが、今後注意してみたいです

その後、静御前は、笹目忠太と8人の軍平に襲われます。
笹目忠太は、後ほど出てくる逸見藤太同様、コミカルなキャラクターでした。

そこを助けるのが、源九郎狐が化けた佐藤忠信です。この場では「火焔隈」といわれる隈取に化粧襷をかけた派手な紛争で、江戸歌舞伎の荒事の演出が取り入れられていました。
この様子を見ていた義経が、狐に源九郎という名前と着背永(鎧)を与えます。そして、花道の引っ込みでは、「狐六方」という演技が見られました。

◼️道行初音旅(Cプロ)
所作事の形式でした。所作事とは長唄などの伴奏がついた歌舞伎舞踊のことです。あまり台詞はありません。今回は、清元と竹本の掛け合いを含む伴奏がついていました。

静御前と忠信が桜満開の吉野を旅します。
以下、筋書きと実際の鑑賞からのまとめです。
・里唄に合わせて踊る
・女雛男雛を真似て並ぶ
・狐忠信が鼓を慕って戯れる
・着背長(鎧)の上に鼓を置いて義経に見立てる
・錣引きの力比べ
・教経の強弓
などなど。周囲の拍手に遅れた所もあったので、私の見落としもありそうです。源平の戦(錣引き)の辺りから、竹本の低い声が入り活気づきました。

菊之助さんが、上の着物を脱いで赤い着物で舞う場面、狐っぽい動きの場面、カメラのシャッターを切るように細かく動く場面など、印象に残りました。(←勉強不足もあり、上手く表現出来ていません。)

終盤、逸見藤太と8人の花四天が登場。藤太は三枚目なのですね。敵なのですが、味方のように見える部分もありました。忠信との立ち廻りもあり、華やかに楽しく、まとめられていました。

観る前から、ずっと吉野の里の桜が満開のイメージがありましたが、所作事ですごく良かったと思います。

■河連法眼館(かわつらほうげんやかた)(Cプロ)
河連法眼と妻・明日香とのやりとり
二人の忠信

忠信が源九郎狐となってからは、暇乞いをしてからの別れの寂しさ、鼓を受け取った嬉しさを、体全体で表現されていました。
狐の台詞は声が高かったです。
また、ふさふさとした衣装で、動きも素早く演じられていました。

追記
・ケレン(早変わりや宙乗りなど奇抜な仕掛け)と書いてある本がありました。『かぶきがわかる絵本 義経千本桜』
・悪僧3人?←後で調べようと思います。
荒法師の覚範は平教経。

■その他
・静御前が義経に対してくどきを行なったり、源九郎狐に対して刀を抜く場面があるなど、多様性を持った人物(姫ではなく白拍子出身として描かれているせいか)として描かれているように感じる場面がありました。
・源氏車の衣装
・どこかの場面で、五拍子が出て来たのですが、忘れてしまいました。
・Bプロ(権太)→Cプロ(忠信狐)→Aプロ(鳥居前と知盛)の順に観たのですが、少なくとも鳥居前は、Cプロより先に観ておけば良かったかも、と思いました。

※河連法眼館の場の記載が雑ですみません!

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