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能『野宮』鑑賞

2022年9月2日の記事です。
『源氏物語』の一場面を題材にした能『野宮』を観ました。同演目の季節は晩秋で、季節に合わせて上演されることが多いのか、調べるといくつか上演されているようでした。
私が観たのは、観世流・鐵仙会所属の鵜沢光さんの舞台です。

私は初心者なので、以下、忘れないよう個人的な記録のような形になります。

◼️本三番目物
・能の上演形式は五番形式。神男女狂鬼。
・『野宮』は女性が主人公の三番目物。その中でも、楊貴妃や夕顔、今回の六条御息所のようにしっかりとした女性の作品を本三番目物というらしいです。

◼️前場、中入(間狂言)、後場
・全体で120分。
・前場と後場の二部構成でした。
・その間を中入と呼び、登場人物(通常シテ)が一旦退場します。装束を替えたりするようです。今回は、シテが橋掛かりを通って揚幕内の鏡の間に入りました。その間、舞台では、アイがワキに間(あい)狂言を行いました。

◼️能面
・アフタートークで解説がありました。
・能面は洞水(とうすい)作の増(ぞう)と言っていました。
・洞水とは江戸時代の能面師のようです。出目満矩(でめみつのり)、号が洞水。
・増、増女(ぞうおんな)とは、能面(女面)の種類の1つです。小面(こおもて)が年若い女性の面であるのに対し、増女はもう少し年が上でほっそりとしており、天女や精霊を演じる時に使うようです。
・室町時代の増阿弥が創作したことから、増というみたいです。増阿弥が原型を創作し、洞水を含めた後世の能面師が、原型を元に彫っていくということでしょうか。

◼️装束
・前シテは唐織(からおり)。紅と浅葱の段と言っていました。
・後シテは紫の長絹(ちょうけん)。
・装束が持つ意味合いまでは、勉強不足です。(笑)。

◼️詞章(ししょう)
・詞章とは、謡曲(能の台本、台詞)を文章化したものです。
・プリントされ事前配付されました。更に私はタブレット端末を借り、現代語訳でも追いました。難点は、詞章を追いすぎると、舞を見逃しがちになる点です。
・六条御息所の思いが深く、詞章と距離感を上手くとる方がよいだろう、と思いました。

◼️作品の流れ
・前半は賢木の巻をもとに、光源氏への思いが語られます。晩秋の寂しさもあり、静かで(比較的動きも少なく)私は少し眠ってしまいました。(←駄目ですね!)
・後半は葵上の巻でしょうか、車争いの場面が再現され、比較的激しかったです。序之舞、破之舞が舞われました。
・序の舞とは、静かで品のある舞で、この『野宮』の舞は、能の作品の中でも、最高に優雅な舞らしいです。
・黒木の鳥居から足を踏み出そうと、行きつ戻りつする場面は名場面らしいです。(タブレットに記載されていました😄。)

◼️アフタートーク
・鵜沢光さん、友枝雄人さん、成田達志さん
・囃子方、地謡についても、話されていたようですが、知識不足でついていけず😄。
・友枝さんが、能楽堂の空間についても話されていました。
・『井筒』との違い。『井筒』も観てみたいです。

勉強不足、初めて知ることも多く、記録的になり、長くなりました。

以上です。

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