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新作『深呼吸する言葉』を自分出版しました。

前作の小説『抹茶ミルク』はクラファンで出版しましたが、今回の作品はAmazonKindleダイレクトパブリッシングを使って、自分の力だけで出版をしました。そのうえで感じたことを書いてみたいと思います。

1.作りたいものを気持ちのままに作り切れる

『深呼吸する言葉』は時代の海の中を生きる私自身が日々吸い込んでいる様々な事象や思いを、自分の中を通した言葉として吐き出す行為です。他人から見たら詩集に見える本ですが、実は私の赤裸々な感情や考えがとじ込められた作品になっていて、結構重たい内容になっています。
そんなこともあって、ある読者の方から「どうして著者としてこんなに自分のことをさらけ出すことができるのですか?」と尋ねられました。一度小説として自分の過去や思いをさらけ出したときに、周囲の人たちとより深い意味で友達になれたという経験をし、そのうえで自分の話を客観的にみられるようにもなり、私の中での自分というテーマの扱い方が前より軽くなったから、さらけ出すことを必要以上に怖がらなくなったことが一番大きな理由です。ですが、それに加えて、どこの出版社とも組んでいない、どの編集者とも組んでいない、私自身が決めていいということで、自分が作りたいものは何か?自分が世の中に公にしたいメッセージは何か?を真摯に模索した結果、自分の一部をさらけ出すことが必要不可欠だから迷いがなくなったこともあると思います。
自分出版は誰かに何かをゆだねることができない仕組みです。その分責任も伴いますが、自身を掘り下げるよいチャンスになるのではと考えます。

2.友達ともっと友達になれる

今回の作品制作にあたり、校正者をしてくださった方や、本を早速読んでくれた方とお話しをさせてもらったり感想を寄せてもらったりしています。こういうときに私の呼びかけに答えて参加してくださる人たちとは、もともと友達ではありますが、こうしたことをきっかけに、さらに親しくなれています。そして助けていただいただけに、私も友達の助けになりたい、何か役に立ちたいと願うようにもなっています。今回は本を出すことに興味を持っている方が周りに集まっているので、私が知っている書籍を作るノウハウを惜しみなく伝えることで少しでも恩返しがしたいと考えています。
また、出版ツールを手に入れたことで、自分が誰かと作りたい本を自由に出版することも可能になったため、今まで一緒に活動したことがない人とも本を作ることを通じて、友達関係になりお互いをよく知りあうことができるようになってきました。新しい友達関係は私自身の新しい可能性も運んできてくれます。緊張感を持ちながらも新しいものをつくるためのワクワクした気持ちを共有し、何かを生み出す活動が進められるのは本当に楽しい。今までも企業の編集者でしたからモノ作りは始終していたものの、友達とがっぷり四つになって向かい合い、何がゴールになるかわからないけど、なんだか素敵なものが作れる予感に震えながら暗闇を手探りでまさぐっている感じは、企業の看板をしょっていた頃には味わえない感覚です。
そんな経験ができるのも、自分ひとりで出版できる自由があるからこそなのです。

3.新しいテクを覚えて使うのがとにかく楽しい。

世間では使い古されたツールなのかもしれませんが、epubやWordでの書籍づくりは私にとっては初めての経験です。たとえば、epubが実はcssの圧縮データで、1ページのデータはメモ帳1枚1枚に分かれて書かれていること。その中のコードをいじることで電子書籍の表現を自分なりにいじることができること。こんなことを知ってはやりたいことに当てはめて使おうとして失敗し、ググってググって諦めかけてはまたググって…と試行錯誤の末に、実際に成功させられたときの嬉しさは筆舌に尽くしがたいです。(自分的にはこれだけでしばらくご飯のおかずになりそうなくらい。。。)
そんな風に、世の中にあるけど自分がこれまでできなかったことや使えなかったツールが、自分のものとして身につけられて道具にすることができる達成感はまた格別なものです。
Amazonの自分出版のやり方もかなり独特かつマニュアルが不親切で読解力が問われる難物なのですが、ここを乗り越えて新しい世界を手に入れた時、明らかに自分の視野が広がり、別のものを見ている自分がいることに驚かされます。
そして、こんなふうに新しいテクを取り込んでいくことは、実は一人じゃないとなかなか難しいものでもあります。自主性がないと結局自分でできるような形で身につかないからです。その意味でも自分出版社は自分が動かなければ何一つ進まないので、本気で取り組むにはぴったりなのかもなと感じました。

以上、今回、自分出版という形で作品を出してみたことで感じたことでした。『深呼吸する言葉』は紙書籍はWord、電子書籍はでんでんエディター&コンバーターで制作しています。どんな感じで仕上がるのか、興味がある方にはご購入をおススメします。ちなみに電子書籍は破格値の99円です笑。
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これをきっかけに友達になってくれる人が増えたら、私にとって望外の喜びです。それでは。


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