マガジンのカバー画像

小説『egg』執筆中

43
2作目になる小説『egg』を執筆中です。三部構成なのですが、ようやく第一・二部完結。第一部は1964年の夫婦関係を、第二部は夫婦の長男が中2になったときの家族の在り方を書きました… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

egg(43)

しばらく止めていましたが、再開します。Endまであともう少しです。 第十七章 「ねえねえ、…

オカキ
3日前
2

egg(42)

第十六章 ピンポーン。 玄関のチャイムが鳴った。 しばらくすると、再びチャイムが鳴る。…

オカキ
2か月前
2

egg(41)

第十五章 「哲治はねえ、今は宮城にいるのよ」 わたしこと高藤由美の祖母であるいちは、お…

オカキ
2か月前
4

egg(40)

第十四章 おばあちゃんの高藤いちが驚いたように目を丸くした。そしてこめかみに手をやっ…

オカキ
3か月前
4

egg(39)

第十三章 お父さんの高藤隆治が倒れて入院した。お母さんの恵美と、わたしこと高藤由美が…

オカキ
3か月前
4

egg(38)

第十二章 銀行業界誌の編集長である高藤隆治は、2年前に合併をした「あかね銀行」の応接…

オカキ
3か月前
4

egg(37)

第十一章 五日後。日照大学の人事担当から電話が来て、面接の日程が告げられた。弘子おばさんのコネが効いたらしい。朝食を食べながらわたしこと高藤由美がその報告をすると、お父さんとお母さんは大喜びした。 「これで由美の就職も安心だな」 お父さんがコーヒーを片手に満足げな笑みを浮かべてお母さんに笑いかけた。お母さんもにっこり笑って言う。 「弘子さんにお礼をしないといけませんね。何かお送りしたいわ。デパートで探しておきますね」 嬉しそうな両親を見て、わたしは言った。 「うーん。

egg(36)

第十章 「14年前、哲治はバイクにはねられて意識不明の重体だったけど、奇跡的に一命を…

オカキ
4か月前
4

egg(35)

第九章 「え!? お兄ちゃん、ですか?」 わたしこと高藤由美は、久々に兄の哲治の名前を…

オカキ
4か月前
1

egg(34)

第八章 西武新宿線の高田馬場駅のトイレで、わたしこと高藤由美は激しい下痢と戦っていた…

オカキ
4か月前
7

egg(33)

第七章 今日は日曜日。珍しく朝からお父さんの高藤隆治が自宅にいるせいか、朝食にサラダ…

オカキ
4か月前
1

egg(32)

第六章 「んで、これがそのとき撮った写真なの?」 下北沢の居酒屋の一角で、写真を現像す…

オカキ
5か月前
4

egg(31)

第五章 「わあ! 海だ!」 駐車場からてくてく歩いて汗をかいていたわたしこと高藤由美は…

オカキ
5か月前
3

egg(30)

第四章 「今鍵開けますね」 若葉マークが貼られた白いセダン型の車の鍵をガチャリと開けると、運転席に座ったギャラがエンジンをかけた。 わたしこと高藤由美は反対側のドアを開け、恐る恐る助手席に滑り込んだ。息を吹き返したエンジンの動きで白い車体が小刻みに震えている。我が家には車がないので、自家用車に乗るのは久しぶりだ。わたしはちょっと緊張した。 「この車、今年買い換えたんですけど、うちの親父ってカローラしか買わないんすよ。マツダのMX―6にしてほしいって頼み込んだんだけど、