『聴くことから始まるダンス』 レッスン編:即興ダンス踊り方覚書
聴くことから始まる踊り方覚書/ 2024.8
一、静かに。
一旦、才能も情熱も夢も希望も言いたい事も捨てて、まず自分をリセット。
一、聴く
今を、味わうように。今は身体で、身体は今。
すでに聴こえているという前提から。
一、乗っかってゆく。
身体の小さな動き反応変化に、急がず、遅れることなく。
一、再生する。
自分がレコードの針のようになって、
”今”に刻まれているものが再生される。
さらに溶け合い響き合うまで。
”今”との共鳴
共鳴現象の実験:二つの音叉(おんさ)の一方を鳴らし響かせると、ある距離で離れたもう一方の音叉も響き始める。
なぜ、ダンスに感動するんだろう。というところから、
共鳴や共感や共生という”関係”の前提や仕組みに興味を持った。
共鳴は昔から私の踊る際のテーマの一つであったが、
もっぱら、自分から響きを生もうと踊っていた。
しかし、この数年、即興ダンスを集中的に踊るようになって、気付いたのは、”今”や、”身体”はすでに響いている、ということだった。
響かせよう、とするのではなく、響きに合わせる、だけでいいんじゃないか?
もしかしたら、この方が広く深い響きを生む踊り方なのかもしれない。
対話において、まず話すからでなく、まず聞く、というようにアプローチが少し変わっただけなのだが、私にとって大きな違いであった。このダンスの共鳴へのアプローチは、いわば中継地点になることである。
その主たる技術は、チューニングや再生の技術。
すでに今は響いている。という前提は、私の中でいろんなことと繋がってさらに興味を広げた。
今というのは、過去と未来が響き合っている状態なのではないか?
”記憶”は共鳴という方法で記憶されているのではないか?
共鳴する、”場”や解像度を変化させれば、今まで共鳴できなかったものとも響きあえるのではないか?
とはいえ、ダンスとして成り立つのか?
愛と暴力に過剰に呑み込まれないように、人は踊るのではないか?
そんなこんなで、今回の研究に至る。
稽古眼目など
”響き”、”風”といった状態になる。
冷静さと、音楽のような変化変調する面白さと、
動くという原初的な喜びも持って。
”今”や”存在”という流れ(響き)の前提に、
外部状況、身体の構造、感覚、重さ、自意識、無意識、記憶、生体リズム、などでエフェクトがかかり、または生のまま、リアルタイムに出力される。
実践
そんなに動かなくても面白い。
どこか落ち着くようなところで、今を、ぜひ聴いてみてください。
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