【20分で書く掌編】第10回「冷血」
毎朝、ゴミを出しに行く前の20分で書く掌編。
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その早朝、なぜ玄関の鍵が開いていたのかは、謎である。
6人の男たちは、一斉に寝室に押し入った。
寝室には三つの布団が並べられ、主人と妻、そして妻の傍らに1歳2か月の息子が寝ていた。
武道の心得のあるH2が主人の上に馬乗りになり、その首を手刀で数回打って、声を出せないようにした。
そしてH1が主人の足元を押さえ、Oが背後からその首を絞めつづけた。主人はH1を蹴り飛ばずなど抵抗したが、鼻から血を流し始め、やがて絶命した