近未来の科学読み物 2013年
科学読み物は時代と共に変化してきたのかもしれない…電子書籍が生まれて、また歴史が変わりつつある。近未来の科学読み物はどんなものだろう。
・インタラクティブ
読者の意思を反映して変化する。物体の質量や速度が変更できるなど。
→ "Basic Books" やサイエンティフィック・アメリカンがすでに2011年に取り組み始めている。ファインマン先生の講義とノーベル賞受賞者の講義を収録したiPad向けに出版するなど。他、音声が収録されているアプリ形式も。
インタラクティブなアプリ形式の書籍といえば、私にとってはセオドア・グレイ著の『世界で一番美しい元素図鑑』のアプリ版である。弟が何かで元の本を手に入れ、当時もっていた iPod touch か何かにアプリを入れて楽しんでいた記憶がある。
ARアプリもあるらしい。歌が核になっているが確か上のアプリでも流せたはず。下記のプロモーションは2012年。文献中でふれられている既刊電子書籍やアプリと同時期である。世界的にこうした潮流にあったようだ。
・イギリスとオーストラリアにおける科学書籍の売れ行き
2003年から2013年の10年間で科学読み物(popular science)の販売数は2006年がピーク。特に伝記の販売数が伸びた。その後は全体としては減少傾向。ナチュラルヒストリーのジャンルがやや増加傾向にある。
(詳細は文献中のグラフを参照)
・疑問や議論を呼び起こす構成
研究やキャラクターを生かしている。ここでも出てくる「ナラティブ」。
そして、よく見るテーマ × 直感に反する角度からの見方。
「よく見るテーマ × 直感に反する角度からの見方」については、ナゾロジーさんの記事もそうだなと思った。研究自体がそうなのかもしれない。
あるいは、iPS細胞や量子力学など、定番の研究テーマを扱っているという少しメタ的な「よく見るテーマ」のことかもしれない。
・ストーリーが大事、優れた科学書はなくならない
Natureの記事なので研究者向けに、研究者が書籍を書くことについて述べられている…けど、いい本がこれからも生まれる感じがして励みになる。
コメント
Natureの記事を始めてとりあげた。自分の読書体験ともつながりがあり、例示を出すことができてよかった。2013年から9年、アプリや電子書籍はかなり浸透してきている印象。絵本などもiPadで出ているような話も聞く。科学読み物の可能性が広がっている。書籍の弱みは書き手が不在になることでインタラクティブさが失われること…と思っていたけど、それをテクノロジーの力ですでになんとかしていたというわけか…。私が思い浮かぶ疑問、物理学のときもそうだったけど先人がすでになんらかの解決策を示してくれている。そこにちょっとずつ重ねていきたい。そして、やはりここでもキャラクター、ストーリーの話が出てくる。ストーリーの本、読み続けたい。
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