ガンダムウォー杯17弾環境の感想
旧ガンダムウォーの17弾環境でイベントやりました。
そのイベントを通じて見たメタゲームの動きなんかを書いていきます。
基本的に個人の感想なので、間違ってることもあるかも知れないけど、思考整理も兼ねて記録しておきます。
前回16弾環境イベントのときの感想もあるので良かったら見てください。
『輝きマスター』
今回17弾環境を構築するにあたり、友人に聞いたところ『輝きマスター』が強い、とのことだったので、まずはその『輝きマスター』を調べて組むことから17弾を始めることにしました。
調べたデッキの中身を見てみたら「なるほど、カードパワーの塊だ」と思ったのが第一印象。
「魂の輝き」は敵軍自軍両方のタイミングで打てる上、リングをも対象にとり、高いプリベント性能で相手の妨害を寄せ付けな いという、明らかに今までの全体除去コマンドとは一線を画すようなパワーカードです。
「マスターガンダム」は4国以下の敵軍効果の対象にならない為、「転向」、「凌駕」、そして「魂の輝き」といった既存のMFの弱点だった箇所をカバーできる除去耐性能力と、ジャンクヤードにあるカードのプレイを禁止する能力を持ち合わせており、「魂の輝き」と組み合わせて運用することで、相手のユニットを流しながらロックをかけ、しかも除去耐性があるため外しにくい、そして単体の戦闘性能も高い、とそれだけででゲームを終わらせるほどのカードパワーを持っているように感じました。
他にも「マスターアジア」という3枚積んでも腐りにくい特性を持つキャラの収録で使いやすくなった「突貫作業」を採用できたり、「ケリィ・レズナー」によってジャンクにある「マスターガンダム」を再利用できるなど、細かい点で強いところがたくさんあり、初めてみた時は「間違いなくこのデッキは環境の台風の目になる」そう感じました。
なので自分は、このデッキを中心に回しながら、周りのデッキがどういうアプローチでこのデッキに対抗するのかということに焦点を当てて遊ぶことにしました。
「魂の輝き」は本当に強いのか?
前項と話は変わりますが、この「ガンダムウォー杯」という環境の面白い点に、当時遊んでおり、先の世界も見てる人達、つまり『未来人』と、当時を知らないプレイヤー、つまり『現代人』が混在するという特殊な環境だ、というのがあります。
未来人は、先の環境も含めた知識があるため、その当時に埋もれていたデッキを作ることができたり、当時発見されていなかった対策カードや、シナジーなどをフィードバックしてチューンすることができます。
カード評価も当然「現在進行形」でするのではなく、もう既に「見てきた」評価となります。
そして今回、未来人たちの17弾環境観は「魂の輝き」を非常に評価しており、デッキを組む際に「魂の輝き」デッキ対策をしているな、という印象でした。
対する私は当然これ以前の環境しか知らない「現代人」です。
基本的にカードの知識がないため、自分の体感でデッキやカードの強さが変動し、更新されます。
その「現代人」の私はオススメされた『輝きマスター』で練習してみたところ、みんなとの評価にギャップを感じていました。
このデッキ、みんなが言うほど強くないのでは?
というかそもそも「魂の輝き」デッキ自体にそこまでの強さを感じませんでした。
その原因として思い当たるのは、まず第1に「魂の輝き」が意識されすぎている事です。
サーバーの多くの人の間で「魂の輝き」が強い、「魂の輝き」デッキは環境で必ず一定数いるはず、という共通認識ができており、そのため、誰もがなんらかの対策を用意してデッキを組んでいました。
そうなると「魂の輝き」で除去したいカードには、ちゃんと対策カードで応じられるし、逆に除去を能動的に打てる時は、流した後に本命を出すような、いわゆる「打たされてしまう」場面が多く、皆のこのカードへの意識されている結果、強く使える場面が少なくなったのではないかと思いました。
第2に「魂の輝き」を使うデッキは決め手に欠けている点が気になりました。
これは第1の理由とも関連していますが、「魂の輝き」を対処する方法の中で、最も強力で汎用性が高いのは「アンタッチャブルキャラクター」を載せることです。
「コマンド」が効かないキャラをユニットに乗せるというシンプルな動きはそもそもどんなデッキ相手にも腐らず、脅威として有効である上、コントロールにもリセット系コンボデッキ相手に対するクリティカルな解答として刺さります。
なので、みんなが「魂の輝き」を意識して構築を最適化した結果、高性能ユニットにキャラを乗せて殴るという戦法が横行し、中速ユニット戦が多くなり、そうなるとメインのユニットが「高機動型ギャン(ジョニーライデン機)」である『黒緑輝き』、「シャイニングガンダム」や「マスターガンダム」がメインのユニットになる『黒茶輝き』ではキャラ分の差 (あるいはそもそものユニット性能差)でシンプルに力負けするマッチが多かったという風に私は感じました。
確かにデッキコンセプト自体は強いのですが、このデッキが一線級となるのは中盤以降でプレッシャーをかける/受けられるようなユニットが出てきた時で、このデッキは『今』使うデッキではないのでは?というのが私の体感でした。
そう思った私は、他のデッキも使い、『真の環境ベストデッキ』を探すことにしました。
ベストデッキはなんなのか?
一通り触った上で強いと思ったデッキはまず『白単重速』。
「シン・アスカ」「ヒイロ・ユイ」という「魂の輝き」を避けられるキャラがおり、新録されたカードのパワーがかなり高いです。
「インフィニットジャスティスガンダム」は両面で4/4/4高機動が出せる能力を持った高スタッツユニット、「フリーダムガンダム(ミーティア装備 )」はキャラありの中級ユニットに互角に渡り合えるサイズを持つ上、破格の火力テキストを持っている圧倒的なパワーユニットでした。
さらに、白という色のユーティリティコマンド2種が以前よりも強い環境になったのも高評価で「部品ドロボウ」は、キャラセット前提環境ということで相手のキャラセットに対する牽制としての役割が増し、「切り開く力」も中速殴り合い環境のため、先に強いユニットを出して殴れる使い方がかなり強かったです。
立ち上がりが弱く、序盤の弱さが気になりましたが、環境に速いデッキが少なければかなり有望なデッキだと思います。
もう1つ感触の良かったデッキとして『青スライ』があります。
強いと思った点は山ほどありますが、個人的には中速・重速環境の中で、最序盤から「プロトタイプガンダム」+「シロー・アマダ」の組み合わせにより高打点で殴れる点が非常に強く、特に先の白単重速にはかなり相性がいいなと感じました。
通常こういう『ウィニーデッキ』は「魂の輝き」のような全体除去に弱いのですが、「脅威の装甲」「ガンダム試作3号機ステイメン」がメインからフル搭載されており、むしろ強いまである印象でした。
「脅威の装甲」フル搭載の理由は言うまでもなく「陸戦型ジム(モルモット隊仕様)」とのシナジーによるドロー連打で、このシナジーによってとんでもない継戦能力を持ちます。
「アストナージ」の存在も忘れてはいけません。この万能メカニックは使えば使うほど強さ、引き出しの多さに気付かされますし、その強さを最大限引き出せなくとも、ゲーム中ずっと並外れた影響を与え続けます。
青単中速相手では「エースの奮闘」「Zガンダム3号機」がキツいですが、多くのデッキに有利に戦えるのではと感じました。
もし私がこの17弾環境イベントに出るならば、この『青スライ』を選択していたでしょう。
さらに1歩進んだプレイヤーたちの選択
…と偉そうに色々言ってきましたが、みなさんかなり研究しており、自分よりさらに1歩2歩進んだリストは数多くありました。
まず真っ先に「この選択にたどり着きたかった~」と感じたのは白使人さん、みかさんの選択が『白単中速』だったことです。
「白」が強いことは明白だったのに、カードパワーに目が眩んで『重速』までしか発想がなかったことに反省しました。
なるほど、確かにこの環境であればベスト白デッキは『白単中速』だったと思います。
中量級ユニットでも、十分殴り合いに強く、1国速い速い分、速攻デッキへの耐性も上がり、「アークエンジェル」によって今でも十分強い「ストライクノワール」をさらに生かすことが出来ます。この発想まで辿り着きたかった…
もう1つ取り上げたいのはたっちゃんさんSORACHIさんが選択した『青黒スライ』です。
『青スライ』に、ハンデスを加えることで、苦手な中速以降のデッキのクリティカルなカードを捨てさせたり、序盤最速展開からの「報道された戦争」連打で一方的に有利な状況で作れます。
「地球政府高官」という2色Gもあるので色事故の率も他より下げられますし、黒を足すことでさらに長所を伸ばせる発送に思い至りませんでした。
たっちゃんさんのリストの「パイロットの現地徴用」と「G3ガンダム」の組み合わせは個人的にかなり好きです。
青単速攻の定番だった「現徴」を『青スライ』に搭載することで、青ウィニー定番のパイロット供給オペという従来の使い方に加え、「G3ガンダム」のマルチプルの種も同時に供給できる『G3シュート』定番のジャンク肥やしオペを兼ね備えられているというのが、速度を維持しながら、より長いレンジを見れるようになった「このデッキ」だからことできることだな、と感心しました。
そして勝者は
そんな各々の研究の結果、優勝に輝いたのはR.R.Zinniaさんの『アフリカロック』。
最初リストを提出されたときはピーキーだ、と感じたものの、終わってみればメタの読みの鋭さに感服しました。
多くのプレイヤーが選択しうる多色デッキ、それを制するためにベターな選択である『白単』、その両者を食えるデッキとして『アフリカロック』を選択するのはかなり合理的だと思いますし、「これぞメタゲーム」というTCGの面白さが感じられた結果になったイベントでした。お見事!
前回もそうでしたが、一度通った環境というのにも関わらず、今でも現在進行形で正解が変化し続け、研鑽と探求の価値があるということが、予想外でもあり、本当に面白いなと思います。
今回かなり自分自身楽しんで、そして練習していった環境だっただけに、プレイヤーのすごさがより分かったことが嬉しく、次回もまた練習したり研究して、それを越えるすごい構築を持ち込んでくれるようなプレイヤーが出ることを期待しながら今回のまとめを終わりたいと思います。
みなさん、また18弾環境であいましょう!
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