本を書き始めました日記 01「経営と作家は正反対」
本を書き始めた。
WEB記事の場合は「つくる」って感覚だけど、本は「書く」の方がしっくりくる。いかんせん人生で「おれはいつか本を書くぞ!」なんて思ったことがなくて、ライター編集者を生業にしつつも、気づいたら編集長や経営者になっていた。成り行きとしかいいようがない。人生はなるようにしかならないとはよく言ったもんだ。
その結果、書く筋肉よりも考える筋肉がついた。思考と営業がワンセットの多動力は持ち前の「やってこ精神」でなんとかなるけれども、いざ「本を書く」行為に向き合うと相反する世界に立ってんだなとしみじみ思う。
なぜなら、経営と作家は正反対の性質を持っているからだ。
時間の大半を経営的な思考にひたひたと浸かっていると、まっすぐに集中した自己の世界とはいとも簡単に引き裂かれる。誰かを考えている。それは読者なのかもしれないし、クライアントかもしれない。日々のFacebookメッセンジャーやChatwork、Slackなんていう作業効率マッシーンを導入していれば、自己の集中力は刀削麺みたいに削られる。
シュッシュッシュッ…
それでも書くしかないのが現状だ。カメとナマケモノのちょうど中間ぐらいの動作で執筆モードに入るが、まだまだ思考と指先が繋がっていないと感じることが多々ある。おれはこの筋肉を鍛えるぞ!と意識的になる時間を自ら奪って、なんとかこれまで会社をやってきた反動なんだろう。書くこと、読むことがすべてであり、その両方を怠っていた数年と常に客観性を見出さずを得ないWEB中心のライター編集の手癖がドロドロした血のように妨げる。
このドロドロした血をサラサラにするのは書くしかない。
書いて、書いて、書いて。
経営の時間を削って、削って、削って。
何が残るのかはわからないけれども、いまこの本を書き上げなければ自分の次の価値はないと心底思い込んでいる。締め切りは雪解け。続くかわからないこの日記で書く習慣を積み上げたいと思う。
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1982年生まれ。全国47都道府県のローカル領域を編集している株式会社Huuuuの代表取締役。「ジモコロ」編集長、「Gyoppy!」監修、「Dooo」司会とかやってます。わからないことに編集で立ち向かうぞ!