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【評価・感想】『Fallout Tactics』レビュー
今作は、2001年に発売された「Fallout」シリーズのスピンオフです。
スピンオフかつ『Fallout』や『Fallout 2』とは別のスタジオが手掛けた作品ということで、それらとは、また少し違ったゲームになっています。
あらすじ:核戦争後のアメリカで、過去のテクノロジーを収集し、研究している武装集団”Brotherhood of Steel”。その中で孤立していたある一派は、新天地のアメリカ中西部に活動の拠点を移す。そこで、”西から迫り来る新たな脅威”に直面する。
※無料公開期間以降は有料になります
タクティカルなFallout
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簡単に言えば初期「Fallout」から戦闘部分を抜き出したゲームです。
『Fallout』も『Fallout 2』も多種多様なクエストと豊富なテキストが特徴でしたが、今作では、それらの大部分がカットされています。
その代わりに戦闘面が強化されており、(基本的には)リアルタイムで行う戦術性の高いゲームへと姿を変えています。
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戦術性の高い「Fallout」としては、悪くはないです。
ゲーム自体は、”初期「Fallout」の戦闘をリアルタイムで遊ぶ”というものなのですが、今作では、同行する仲間に対して、もしくはグループ全体に対して、攻撃と防衛、直立と匍匐というように、ざっくりと命令を出すことができるようになっています。
命令を組み合わせることで、「攻撃を仕掛けるタイミングで、少し離れた場所に配置したスナイパーに援護させる」「仲間を3人ずつに分けて敵を挟み撃ちにする」と言った連携プレイが可能で、タクティカルゲームのように遊ぶことができます。
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今作は、全体的に難しいゲームです。
単に銃で応戦しているだけだと、割りとサクッと倒されてしまうゲームになり、スマートに任務を遂行するためには、仲間に的確に命令を出すことが重要です。
多勢に無勢で、厳しい状況でも、仲間の配置を工夫したり、地形を活用したりなど、戦術的に遊ぶことで、その状況をひっくり返すことができます。
他のタクティカルゲームと同じく、”手強い敵を倒す方法を考えて実行する”の繰り返しが面白く、戦術がバシッと決まった瞬間は非常に達成感があります。
「Fallout」を特徴付けた要素の多くは存在しないゲームなのですが、”Fallout風味のタクティカルゲーム”としては、十分楽しめる内容です。
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ただし、粗削りな部分も散見されるゲームではあり、良いゲームとは言えない内容ではあります。
仲間が近くの敵に反応しなかったり、おかしなルートで移動したりなど、気になる点は少なくなく、特にゲームが難しくなる後半は、割りと無視できないレベルです(※終盤はそれがイヤになって難易度をイージーに下げました)。
全てが上手く機能した瞬間は面白いのですが、意図した通りに動かせない苛々を感じることも多々あり、”初期Falloutのシステム上でRTSをやる”ことの限界を感じさせるところがあります。
もう少し詳しく
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戦闘に特化している点以外にも、今作は色々と違います。
『Fallout』や『Fallout 2』では、町や村などを転々としながら各地のクエストを遊んでいきましたが、今作は、ベースキャンプで上官から与えられた任務をこなしていく形で、方式としては「Call of Duty」に近いです。
また、任務で訪れる場所は、一部を除いて戦闘エリアになるので、探索したり、会話したりすることは、ほとんどありません。
一応、ミッション内での行動によって、仲間として採用できるメンバーが増えたり、先の展開が少し変化したりすることはありますが、かなり限定的です。
初期シリーズ経験者は、「Falloutのシステムを流用した別のゲーム」だと思って遊んだ方が良いと思います。
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ついでにバグについても触れておくと、今のPCで遊ぶと、ワールド移動時のランダムエンカウント率が異常に高くなることがあります。
私の環境では、ワールド移動前に毎回ゲームを再起動することで回避できました。
あと、ターンベースモードにもバグがあるようなので、基本的にはリアルタイムモードで遊んだ方が良いです。
関連記事>>>『Fallout Tactics』のフレームレートを制御する方法
総評
あくまでもスピンオフという割り切りは必要ですが、タクティカルゲームを「Fallout」の世界に上手く落とし込んだ一作でした。
タクティカルゲームとしては、シンプルさと戦術性を両立させたゲームプレイが面白いですし、「Fallout」としては、BoSを中心にしたストーリーと"新たな脅威"の存在がユニークでした。
ただ、全体的に粗削りで、かつバグっぽいゲームでもあるので、”悪くはない”という表現に留めておくのが無難なゲームだと思いました。
なお、今作の出来事は、現在のシリーズに"部分的には"取り入れられているとのことです…。
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