見出し画像

高速道路の看板かじってもいいですか。

ときめきはいつも始まりの瞬間に感じるもの。

知らない誰かが、知らないどこかへ、その道の途中で私たちは同じ道を通る。そこからいくつもの枝分かれがあって、後ろを振り向く間もないまま未来を決めなければならない。

一度選んだら、選ばなかった道には戻ることができない。そしてまた新たな誰かと同じ道を行く。

高速道路って本当に人生の縮小図というか、雑踏の中の小川みたいな特別感があると思う。

そのなかにある緑の、角ゴシックで書かれた標識を見るとワクワクが止まらない。旅の始まりと同じ興奮だ。いつかは終わるけど、そんなことは忘れて今を見させてくれる。

駆け巡る時の中で、時間を買って前へ、前へと進む社会。

高速道路はこの社会の代表例だ。しかし私にとってはむしろ昔の思いを蘇らせる場所だ。今まで何度も同じ高速道路を通ってるけど、その度違った思いになる。その道は同じではなかったのだと思わされる。

ただ待ち構えるその緑の看板に、いくつになっても私の心は踊らされる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?