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#17ぶどう山椒の夜明け「春香る「花山椒」」

新緑の樹々が静かに佇む山間で、春の高級食材「花山椒」の収穫が4月中旬に始まりました。

山椒の一大産地である和歌山県有田川町ですが、花山椒を収穫・出荷される農家はごく わずか。販売を始めて5年目となる、きとら農園 新田 清信(しんだ きよのぶ)さん にお話を伺いました。


「山椒特有の華やかな香りに加え、上品なしびれが花山椒の特徴で、しゃぶしゃぶ、すき焼き、鍋料理などに使用される」と新田さん。  

市場流通量が非常に少なく、保管方法が確立されていない花山椒は、この時期にしか味 わうことができないため、多くの料亭やレストランが購入に動き出すそうです。なかでも 新田さんの取引先は、ミシュラン3つ星料亭はじめ高級どころがほとんどなのだとか。



「開花2日前のものが香り・食感ともに最高」と、10年以上、山椒の栽培に携わる新田さんは語ります。花山椒は若いつぼみでは香りが弱く、また、開花すると香りが落ちるため、ベストは開花2日前のつぼみの状態なのだとか。

その収穫適期を逃さないためには、 毎日樹々を観察して回る必要があるそうで、「最高品質の花山椒を届けられるのは農家に しかできない仕事だ」と自信を覗かせました。


新田さんが販売する花山椒を機に、産地と世界で活躍するシェフや食に強い関心を持つ 層などとのつながりが生み出されました。この動きは山椒そのものや産地のイメージ向上 に大きく寄与していることは明白です。今後も産地だからできる高品質な商品を多くの人 に届けていただき、認知や産地継続につなげていただけることを願います。

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