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#11ぶどう山椒の夜明け「未来を切り拓く若手農家」

高齢化が進む山村で、未来を切り拓く きとら農園 新田 清信(しんだ きよのぶ)さんを取材しました。

日本屈指の山椒産地である有田川町に生まれた新田さん。高校進学を機に地元を離れ、大学・社会人は東京等で生活されていました。しかし、結婚生活や子育て環境等を理由に地元へのUターンを決意されたそうです。

新田さんは就農にあたり、荒廃した園地を購入し、開墾から始めたのだとか。東京在住のため、頻繁に帰省できない新田さんを支えたのは、同町に住むご家族だったそうです。
サポートを受け、無事就農できた新田さんに試練が訪れます。親戚から山椒は儲かると聞いていたそうですが、初出荷時に取引価格が大暴落。「とても生活できる収入ではなく、生産だけでは生きていけない」と強い危機感を抱いたと当時を振り返ります。

収益を確保すべく、新田さんは園内に自生する桑の木を活用した桑の葉茶の製造・販売を開始。桑の葉茶はECサイト等で全国販売され、今では重要な収益の柱なのだとか。
さらに、メーンである山椒の商品化にも着手し、自園で加工した「粉山椒」の販売も開始。「生産から加工まで徹底して品質管理できるのは農家の強み」と新田さん。妥協を許さない高品質な商品はミシュラン星付き料亭等からも好評で、品薄になることも度々だそうです。

自身のアイディアで逆境を見事に乗り越えられた新田さんは、現在、就農希望者を受け入れる等、次世代の担い手づくりにも着手し、山椒の産地を守ろうと活動されています。
最後に新田さんは「私の挑戦が未来の産地形成につながれば」と語ってくれました。

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