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【ミリタリー】世界の軍用銃/5.56mmNATO弾

(全3,333文字/AI不使用)
皆さまおはようございます。
毎週木曜日の朝、かけうどんの趣味の『ミリタリー』に関する記事を投稿しております。

このシリーズは、軍事初心者の方向けの記事です。

なので、専門的な知識を既にお持ちの方から見たら「なんだこりゃ」的なところも多分にあるかも知れませんがご容赦ください。

軍事関連の知識について、初心者の方でも理解しやすいよう、あまり難しい専門用語などは使わず、細かい説明などもなるべくしません。

↓↓↓過去のミリタリー記事はこちらのマガジンに収録しております。よろしければ見て頂けると嬉しいです。

5.56mmNATO弾

本日は、『5.56mmNATO弾』についてちょっと触れてみたいと思います。

【5.56mmNATO弾って何?】

○直径5.56mmの歩兵が使うライフル用の弾丸

○1980年にNATO標準規格の弾薬として正式採用

○従来の7.62mm弾に比べて軽量コンパクト

○メリット
歩兵1人あたりが運べる弾数が増えた
反動が少ないので命中率が上がった

(他にも、味方や友好国が同じ口径の弾薬を使用していることで、有事の際に弾薬を融通しあったりもできるというメリットもあります。)

○デメリット
火薬量が少ないのでパワーが落ちた
貫通力・射程が落ちた

なんでコレ採用したの?

第二次世界大戦が終わり、世界は冷戦構造へ。

西側各国は、だいたい「銃はアメリカさんに右へならえで良くね?」な雰囲気だったので、米国でM14ライフルが採用されたのをきっかけに、各国は7.62mm口径の小銃をこぞって作って装備化しました。

M14ライフル(7.62mm)/米


7.62mm口径の小銃にまつわる昔話を、こちらの記事にも書いてます。

細かい話は省略しますが、ベトナム戦争で米軍がM16を実戦投入したことで、7.62mm弾よりも軽量コンパクトな5.56mm弾の有用性が立証されたのもありますが、振り返ると当時は何が正解かを模索しながら迷走してたのかな?と思えなくもありません。

対する東側はどうだったの?

旧ソ連側はと申しますと。

個人的な意見ですが、1960年代に既にソ連は歩兵装備の体系的整備は完整していたように思います。

専門的な話は避けたいのであまり深くは書きませんが…

西側各国の歩兵装備が【主力の突撃銃+分隊支援用の軽機関銃】という図式だったのに対して、ソ連軍はAK47突撃銃の取り扱い操作さえできれば、分隊支援火器の軽機関銃も同じパーツ構成の銃を正式装備していたので、機関銃手の訓練がとても効率的かつ合理的だったという背景があります。

(詳しくは機関銃の記事を書くことがあれば、そこで書きたいと思います。)

5.56mmには、どんな銃があるの?

ここからは、ほぼ写真集ぽい記事になっちゃいます。

webで検索すればもっと詳しい記事などは出てくると思いますので、名前と写真、ちょっとしたエピソードっぽいものを簡単にまとめておきます。

M4カービン

M4カービン/米

ベトナム戦争当時にM16ライフルを正式採用した米国でしたが、M16系ライフルは長く主役の座にありました。近年ではM4カービンへの更新を進めていましたが、アフガンの戦いで射程やパワー不足が問題になりました。

HK416

HK417/米

写真がHK417(7.62mmモデル)でごめんなさい(汗)

米国はM4カービンからHK416へと逐次更新中。

レシーバー(銃本体)は共通の部品で、装着するパーツを交換することで通常のライフルタイプから軽機関銃、狙撃用など、様々な用途に応じた使い方ができるようになっています。

近年、ヨーロッパ各国は次項以降で紹介している従来装備のライフルから、このHK416への換装を決定している国が少なくありません。

FAMAS

FAMAS/フランス

フランスは独自のブルバップ(マガジンや機関部がグリップの後方にレイアウトされている方式)の銃を採用。このタイプは銃の全長を短くコンパクトにできるというメリットがありますが、取り扱い操作にちょっとした『慣れ』が必要なことと、左右逆に構えた時、排出されるカートリッジが射撃手の顔に飛んでくるので危なかったり、耳元で作動するのでうるさいと言うデメリットもありました。フランスでは近くHK416の導入が決まっているみたいです。

L85

L85/イギリス

英国は独自に開発した4.85mm弾を使用していましたが、最終的に5.56mmにしています。フランスに同じくイギリスもブルバップ方式を採用しています。

ステア―AUG

ステア―AUG/オーストリア

ブルバップ小銃を採用している国がここにも。

ステア―AUGの特徴は、セレクターレバー(切り替えレバー)がありません。引き金を短く引けば単発、引き続ければ連射ができるという機能があるからです。大半を強化プラスチックで構成していますが、重量的にはM16やAK74よりも重たいという…。
また、残弾数が一目でわかるシースルーなマガジンを使っていたり、キャリングハンドルに一体化したスコープが標準装備されているなど、当時としては革新的なデザインや機能を持っていました。映画ニキータではこれを使って狙撃していたシーンが印象的でした。

H&K G36

H&KーG36/ドイツ

制式小銃の5.56mm口径化がヨーロッパでは遅かったドイツでしたが、実は1970年代から要求はしていたようです。革新的技術を盛り込んだH&KーG11(恐らく世界初の近代的ケースレス弾丸を使用するライフルとして計画されたもの)の開発が事実上、失敗してしまったことや、1990年代に東西ドイツが統一されたことによる予算的問題などの影響も深かったようです。(当初は統一によって大量に取得した東側製のAK74を採用したら?との声もあったようです。)最終的にH&K-G3A3小銃の基本設計をもとに試作されたHK50がトライアルでステア―AUGに勝利した結果になります。

89式5.56mm小銃

89式小銃/日本

日本では1989年に正式採用された89式小銃ですが、さすがに30年以上が経過し、仕様的な経年変化は否めなくなっていました。特に、様々なオプションツールの装着に便利なレールインターフェースなどが取り付けられないなど、世界基準に比較すると諸々の問題もありました。つい最近、後継装備になる20式小銃が採用されました。

20式小銃

20式小銃/日本

米国製HK416、ベルギーの小火器メーカー、ファブリックナショナル社製SCARなどの参考品とトライアルした結果、国産のHOWA5.56が20式小銃として採用されました。

最後に

歩兵が使うライフルや突撃銃は、1丁あたりの価格は戦闘機や戦車、ミサイルに比べて金額的には安いのですが、何しろ人数分揃えないといけないため、トータルではとても高額な買い物になります。なので、どの国も装備の近代化や更新には予算面で苦労しているようです。

自国で開発するとコストが大きくなり、輸入すると部品供給がストップしただけで機能停止になると言うジレンマがあるのかも知れません。

今回は銃の中身(メカの部分)等に関する記述はあえて避けました。

イメージやエピソードなどを軽く触っただけの薄い記事になってしまいましたが、初心者の方向けに書いているのでご了承ください。

銃は、映画やアニメなどでは良く登場するアイテムでもあります。バキバキに軍事からというよりは、そっち方向から詳しくなられた方も少なくないのでは?とも思います。

古い歩兵銃⇒7.62mm⇒5.56mmと来ましたので、次回は、そろそろ機関銃かSMG(サブマシンガン)の記事でもボチボチ書き始めようかな?とか考えてもいます。

誰かに書いてくれと頼まれて書いている記事ではありませんが、もし、リクエストなどありましたら可能な範囲でお答えできればとも思います。(お時間はそれなりにかかってしまうかもですが)

素人の趣味の世界に最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

おまけ/初心者向け銃の入門書

小説やイラストなどのネタ探しにお困りの方は、こちらの本などわかりやすくてオススメかなと。

キャラクターのポーズなどの参考にもなる写真があります。


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