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【グルメ/日記】本物のさぬきうどんに秘密の穴場はない。どこにいっても美味しい。でも一番は...

(全999文字)
母が亡くなり慌てて帰省した時のこと

高速道路のパーキングで休憩中に
展望台の看板を見てて思った
私は地元のことを何も知らない
ただ讃岐の出身だと言うだけのことだ
あの山の名前も
あの道路が何号線なのかも
殆ど知らなかった

15才で家を飛び出し、ずっと県外にいて
もはや家族と一緒にいた時間よりも
今の業界にいる時間の方が長くなった

母の葬儀には
地元の中学生時代からの
親友2人が来てくれた

愉快な母だったから
生前の母の朗らかな性格のことや
友達が家に遊びに来てくれた時
どんな接し方をしてくれたとか
みんな色んな話で盛り上がった

お腹がすいて昼を食いに行こうとなった

2人とも
本当なら違うものを食べたいはずなのに
私が地元に帰ってきた時は
必ずうどん屋に連れて行ってくれる

この2人には
イマイチ、イマニくらいの店でも
私は、早い、安い、ウマイと
喜んで食べる

さぬきの人はうどんがキライではないけど
かといって好き過ぎて毎日食べたい!
と言う人はあまり見たことがない

うどんは他の外食に比べると
早い・安い・旨い
三拍子そろった食べ物だから
手軽にお腹を満たせる

なので
『昼どうする?』
『とりあえずうどん?』
『せやの、しゃーないの』
みたいなノリで食べている(と思う。)

他より安くて
そこそこ味も良ければ
食べない理由はない

しかも回転が早いから
せっかちな人でもストレスを感じない

香川県と言えば讃岐うどん
そんなイメージが強いかも知れないけど
地元の人間からすると
早くて安くて美味しい店に行くメリット
ここが強いと思う



あんなに嫌で飛び出した実家
しかし県外に出た自分は
讃岐うどんに近い味を探して
いつもうどん屋を巡っている

盆や正月に実家に帰ると
馬でも食い残す量のうどんを母は茹でた
それを見た姉がキレる

『オカン!何でこんなんぎょうさん作るん?こんなん誰が食うん?』
(訳:お母さん、なぜこんなにたくさん作るの?これは誰が食べるの?)

母はたまに実家に帰ってきた息子に
息子が好きなうどんをお腹いっぱい
食べさせたかったんだと思います

もう地元に帰っても
お母さんが作ってくれるうどんは
食べることができません

どんなお店で出されるうどんよりも
母が近所のスーパーで買ってきた
カトキチの冷凍讃岐うどん

母が茹でてくれたうどんが
私にとって一番美味しいうどんです



(トップ画の写真:地元の友人宅近くにあるお店の写真をアップされてる方がおられたのでお借りしました。私も良く食べに行ってました。)


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