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【初心者向けミリタリー】サブマシンガン/短機関銃

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皆さんおはようございます。
毎週木曜日は、かけうどんの趣味の軍事・ミリタリーに関連する記事を投稿する日にしています。

アニメやゲームなどで御馴染みの武器・アイテムなどに通ずるところもあるかな?と思うので、少なからず需要はあるかも知れませんが、なるべく初心者向けの記事にしたいので、難しい専門用語やクドイ説明はしないよう、また、ネットでググれば出てくるような情報の羅列にならないようにしたいと思います。

専門的な知識をお持ちの方には叶いません。素人が書いている記事ですので、ご愛嬌とお許しください。

今日は、サブマシンガン/短機関銃について書いてみたいと思います。

↓過去のミリタリー関連記事はこちらのマガジンにまとめております。


サブマシンガン/短機関銃って何?

その起源は第1次世界大戦末期にドイツ軍が開発したMP-18が世界初登場の本格的なサブマシンガンと言われています。(一説ではイタリアM1915との説も)


ベルグマンMP18/独

サブマシンガンは、ドイツ軍の浸透戦術(塹壕内になだれ込んで接近戦で敵を制圧する戦い方)に必要な武器として考案されたと言われています。

長い歩兵銃は、狭い塹壕内では取り回しがしにくく、また、1発撃つごとに次弾装填のためボルトを操作しなければならないので、塹壕内の戦闘に向いていませんでした。

かと言って、ピストルは小さく取り回しはしやすいけれど、火力が圧倒的に足りません。

そこで、歩兵銃とピストルの中間的な存在として誕生したのが、サブマシンガンでした。

サブマシンガン(Submachine Gun/SMG)は、1900年初頭に米国のオートオードナンス社が発表した『トンプソン・マシンガン』を『小型機関銃』と言う意味を含めて説明するために造られた言葉とも言われています。
(英国ではマシンカービン、ドイツではマシーネンピストーレ(Maschinenpistole/MP)と呼ばれてもいます。)

【サブマシンガンの特徴】
○拳銃用の弾丸を多数装填できる。
(幅はありますが多いもので数十発)
○機関銃のように弾丸を多数連射できる。
(引き金を引いてる間、弾丸が連続で発射される)
○小型・軽量・コンパクト。
(狭いところで取り回しがしやすい)
○射程距離は短く、貫通力は弱め。
(拳銃弾を使用するため。ボディーアーマーは貫通困難)
○瞬間制圧能力が絶大。
(短時間に大量の弾丸を発射できるため)
○兵士の練度が余り問われない。
(狙って撃つ技術が必要ないため)

【まとめ】
サブマシンガンとは、拳銃用の弾丸を多数装填して連射できるコンパクトで取り回しがし易いように設計された小型で短い機関銃の総称。

一般的な機関銃とは違い、小型軽量コンパクトなことから、第1次~第2次世界大戦当時は第一線で戦闘する兵士にも使用されていたようですが、近年では後方で勤務する兵站部隊や輸送部隊などの防護用火器として使用することもあるようです。また、軍隊以外でも、警察や法執行機関などでも多数採用されています。

サブマシンガンの歴史

第1次世界大戦末期~第2次世界大戦中、約四十数種類に及ぶサブマシンガンが世界各国で開発・採用され、大量に生産されました。

当時の歩兵装備の主力だった小銃は、ほとんどがボルトアクションライフルと言われるもので、1発弾丸を発射するたびにハンドルを操作して空薬莢を取り出し、次の弾丸を装填するという動作が必要でした。

機関銃は引き金を引いている間、自動で弾丸が次々に連射される武器だったたものの、その構造上、重く・大きく・かさばるもので、簡単に持ち運びできるものは第二次世界大戦当時は多くありませんでした。

近年では歩兵が比較的簡単に持ち運べる軽機関銃や汎用機関銃、分隊支援火器などもありますし、歩兵の主力装備である『突撃銃』は、単発と連射の切り替えが簡単にできるようになっているものが殆どです。

↓↓↓詳しくは過去記事もあわせてご覧ください

第二次世界大戦後の近代的な陸軍歩兵装備の主流となる突撃銃の始祖鳥的なStg-44の考案や、世界初のサブマシンガンMP18、大戦後もしばらくの間、世界中で使用されたMP40といった名銃を作ったドイツと言う国はやはり凄いと思います。

MP40/ドイツ

現代の代表的なサブマシンガン

サブマシンガンは、戦中・戦後のものを含めて全部で100種類近く存在していますが、ここでは代表的なものをご紹介します。(細かいウンチクやスペックなどは、専門的なサイトが多数ありますので割愛)

クリスヴェクター(米)

クリスUSA社と米軍が共同開発した次世代SMG。主な特徴は、サブマシンガンの悩みどころだった反動を極限まで吸収・低減する設計になっていること。9mm弾の威力不足を補える45ACP弾丸を使用する。
力の弱い女性でも、本来は反動の強い高威力の45ACP弾の連射で簡単に的に当てられるくらい衝撃を吸収してくれるサブマシンガンと言われています。フォルムも近未来的でカッコ良いのですが、銃器への信頼性を重んじる米国ならではの頑丈かつ堅牢な設計と言え、戦後に開発されたサブマシンガンの中では恐らく最高峰のものと言えるでしょう。

クリスヴェクター/米

スコーピオンEVO-3-A1(チェコ)

1992年に民営化した元チェコの兵器廠国営会社で開発された9mm使用のカービン銃をベースに、Vz61短機関銃の後継として開発されたもの。

スコーピオンEVO3A1

Vz61スコーピオン(チェコ)

ストックを折りたたむと約27cm、世界最小クラスのサブマシンガン。Vz61と言う名前は、1961年採用と言う意味。スパイ・アクションものの映画やアニメ、漫画等でよく出てくる銃の一つ。

Vz61スコーピオン

H&K MP5A3(ドイツ)

ドイツの銃器メーカーH&K(ヘッケラー&コッホ)社が開発した、第2次世界大戦後最も成功したと言われるサブマシンガンの一つ。優れた命中性能や機能から、世界中の軍・警察・法執行機関等で採用されている。

H&K MP5A3/ドイツ

UZI(イスラエル)

1951年、イスラエルIMI社が開発した第2次世界大戦後を代表する第1世代のサブマシンガン。建国当時のイスラエルは工業力に乏しく、比較的構造が簡単で大量生産に向くサブマシンガンは、兵士の訓練も少なくて済むと言うメリットもあった。

UZI/イスラエル

PDWとは

見た目や機能はサブマシンガンと似ているのですが、『パーソナル・ディフェンス・ウェポン』(personal defense weapon/PDW)というものがあります。

通常サブマシンガンは拳銃用の弾丸を使用しますが、PDWは、専用設計の貫通力の高い特殊な弾丸を使用します。(ライフル用の弾丸をちょっと短くした感じのもの)

近年ではボディーアーマー(防弾チョッキ)の性能がどんどん向上していて、従来の拳銃弾を使用したサブマシンガンでは有効ではなくなってきているといった背景から開発されました。

H&K MP7

PDWと言えばライフル弾と拳銃弾の中間的な特殊弾を使用する個人防護火器として一般的な名称になりつつありますが、もともとは、ドイツのH&K社が開発していたMP7の発表当初の名称でした。

H&K MP7 PDW/ドイツ

FN P90

ベルギーFN(ファブリックナショナル)社が1980年代に開発したPDW/個人防護火器。人間工学に基づいたデザインで近未来的なフォルム。
有名なサイバーパンクアニメの攻殻機動隊に登場する銃には、このようなデザインのものが多く見られました。

FN P90/ベルギー

最後に…

ちなみに、旧ソ連は第2次世界大戦中は大量のSMGを運用していましたが、大戦後は突撃銃に整理統合しています。(2000年頃に法執行機関向けのPP2000を発表しています)

小銃、機関銃の歴史や今々の趨勢をごく簡単に過去記事で紹介させて頂いてますが、その中間に位置するサブマシンガンについて、今回ちょこっと書かせて頂きました。

次回は狙撃銃について少し簡単に触れてみたいと思います。

(予告以外の記事になるかも知れませんがご了承ください)

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

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