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『鈍感力』について

はじめまして。

カケミチの中で少し異色の存在。こどものための整形外科医として活動している中川です。

自分は『鈍感力』が他人よりも強いのではないか

そう思ったのは医者として働き出してからだと思います。

そういえば数年前に同じ名前の本が出ていましたね。

直接読んだ訳ではないので、詳しい中身はわかっていませんが、当時タイトルを見て

「あ、これだ。。。」

と、感じたのはよく覚えています。

自分はこの『鈍感力』のおかげで幸せな人生を送れていると思っているので(もちろんその分、迷惑もかけていますが)。
今日はその話をしてみようと思います。

(この記事を読んでも、鈍感力が身につくかどうかはわかりません、、、)


鈍感力の身につけ方の謎

この本のamazon販売サイトにあるレビューを見てみると

要は、小さい事は気にすんなよ、ということ。


それがあるかないかが問題であって、その身に付け方を体系的に書いていない。


だから何?どうすれば鈍感力がつくの?


といった、批判的なコメントが目立ちます。

このコメントを読んで、

「はたして身につけようと思って『鈍感力』が身につくのだろうか??」

という疑問が浮かびました。

みんな『鈍感力』の必要性については納得しているみたい。だけどその身につけ方は知らないし、知りたい。

自分にはきっと『鈍感力』がある方だけど、それってどうやって身につけたのかな??

思い返すと、『鈍感力』で得したこと。
それは傷つかないことだと思います。

自分に向けられた敵意不満欺瞞、または望まない好意やいわゆるテイカーたちから身を守る手段として、『鈍感力』を利用してきました。

要は自分を守るための防衛手段として、自然と身につけた方法です。

もっと過去に遡ると、小学校のころに先生に宿題をやっていないことを叱られたり、中学校のころに友だちに嫌がらせをされたりしたときも、「そんなのたいしたことないさー」や、「他の楽しいことをやろう」と、気持ちを切り替え、気付かないふりをしていました。

その積み重ねが『鈍感力』が生まれた過程なのだと思います。

この様な経験、だれもが持っていると思います。


敏感と鈍感は背中合わせ

ですが、誰しもが同じような考え方になるわけではなく、逆にその時「敏感力」を身につけてしまうこともあると思います。

「怒られないように・・・」、「仲間はずれにならないように・・・」、「失敗しないように・・・」

ありとあらゆることに敏感にアンテナを張り、自分にとってのマイナスの部分を避ける道を選ぶ人もいます。

その習慣が1つ「生きづらさ」の原因になっているかもしれません。

自分が『鈍感力』だけで生きている訳ではないことも忘れてはいけません。
それではお仕事できないですからね。

体調変化の様子や検査値の異常、こどもの発するサインなんてかなり敏感に対応しなければいけないものです。

これってつまり、その使い分けができていることなのです。

おそらく、『鈍感力』を持っている人は、その使い分けが上手になっているのではないでしょうか。

自分の敏感になる部分と、反対に鈍感にしている方が良い部分の使い分け。

だからもともと敏感な人(先ほどのレヴュアーの様な)は、大人になってから『鈍感力』を身につけるのが難しいのではないでしょうか。


これから鈍感に生きるために

『鈍感力』は言い換えると、知識のプールができている状態と考えることもできます。

その分野に関しては、自分は良く知っていて、新しい知識を仕入れる必要がない。その段階で知識のシャッターを閉じてしまいます。

そう思っていれば、それくらい自信があれば、常に敏感にアンテナを張って、知らない情報に対してうろたえる必要がなくなります。

他にも、自分よりもずっと『鈍感力』のある人のそばにいると、その様子を見て安心することができます。ここまで鈍感でも大丈夫なんだと思えます。

他人と比べることなく、自分のやり方に自信を持つ。それができれば、きっと周りの雑音が気にならなくなるのではないでしょうか。

「逃げ恥」の2人はドラマの中では敏感さん同士でしたが、実生活ではどうなのでしょうか??
恋や相手の気持ちに対してはとても鈍感な様子が微笑ましかったりもしましたけどね。

みなさんはこの記事を見て、自分のことはどう思いましたか?
それぞれ敏感な部分と、鈍感な部分があると思います。自分のことを知ること。それが『鈍感力』を上手く利用して生きていくための第一歩かもしれません。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター


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