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#3 どら焼きでポフポフ奏でる

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【アイスの墓を作る】
部屋の掃除をしていたらアイスの当たり棒がひょこっと出てきた。去年の夏にコンビニで安いからという理由で買ったアイスのそれだ。食べている途中で溶けてほとんど地面に落ちてしまい「これだから安物は」と怒ってすぐに何だそれ。と思ったのを覚えている。当時は30歳になったばかりで歳相応の振舞い方をずっと悩んでいたから30歳がアイスの当たりを交換しに行くのはな……でもせっかく当たって嬉しいしな……と葛藤してとりあえず持って帰ってそのまま適当な引出しに入れておいたのだ。
31歳になり30代の振舞い?なんぼのもんじゃい!という最強と書いてやけくその気持ちになったので交換しに行こうと決意したのだけど、何のアイスだったか全く思い出せない。ミルク味だったような、ソーダ味だったような、当たり棒をコンビニに持っていけば店員さんが探してくれてまた会えるだろうか。しかしその度胸はあるのだろうか。と思いつつもとりあえずそのコンビニに行った。念の為、アイスケースを覗いてみたら当たりがついているアイスは無さそうだった。そのまま店内を2往復して何も買わずに帰った。
手元に残った当たり棒は、いつかお子様が金魚などを飼って死んでしまった時の墓標にしよう。人生をもう一度どこかでやり直しているよ。という希望を込めて。と思ったけど、不謹慎だな。と思ってそのままゴミ箱に入れた。

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【カスタネットタンタンしたりどら焼きをポフポフしながら行進する】
子供の頃にカスタネットにあんこを挟んだものがどら焼きだと思っていた時期があった。多分どら焼きを叩くのが楽しくて、そう思いたかっただけなんだろうけど、未だにどら焼きを見つけると袋から出す前に何となくポフポフしてしまう。気の抜けた音がする。思い通りの音が出せるとつい行進したくなるけどそれは抑える。どら焼きを食べ物としてだけじゃなくて楽器としても振り分けて欲しい。皆でどら焼きを持ってズラーーーーと並んでポフポフしていたら可愛いと思う。

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【沼ライオン】
ライオンをどこまで弱らせれば可愛くなるかと思ってとりあえず沼にはめてみたら可愛くなった。だけど可哀想だから生活は別にした方がいいよね、私たち。