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エピソード2 紀要の編集のこと

自分は2つの研究所の事務担当者であり、それぞれの研究所で毎年刊行する研究紀要の編集作業も業務のひとつです。

研究紀要の編集作業といっても、研究者で組織される編集委員会、編集・印刷所、執筆者、査読者との間に入って連絡や原稿のやりとりをすることが主な仕事です。

研究所で紀要の企画を決めて、投稿原稿の応募を募り、原稿を集めて、査読をし、入稿して、校正を複数回して、表紙周りや目次等を整えて、いよいよ印刷、冊子とデータが納品されるまで、およそ半年かかります。

紀要の編集業務のストレス

紀要の編集作業には、事務担当者にも、ストレスがかかります。主な原因は、

・執筆者・査読者にお互いの素性を示さずに行われるダブルブラインド方式を採用していること
・様々な事情が重なってスケジュールが圧迫されるため、査読期間があまりにも短くなっていること(うちの場合は1週間〜2週間)
・その年度の研究成果を発表するための紀要である場合、刊行が年度末になるため、年度内に支払い手続きを完了するためには、刊行スケジュールがタイトになること
・にもかかわらず、すべての執筆者・査読者がスケジュールを守ってくれるわけではないこと

これらの原因からさまざまなストレスがかかります。この原因自体がストレスであることもあります。

ストレス解消のためのアイデア

そんなストレスを解消するためのアイデアになります。

編集委員会の編集会議は、Zoomかメールでやることが増えました。
①投稿論文は掲載されるまでその情報が編集委員会以外に漏れてはいけないので、Googleドライブで編集委員のみに共有するようにしました。

②編集委員が編集状況を常に把握できるように、編集の進行状況をGoogleスプレッドシートにまとめて共有しました。
掲載する原稿一覧の横に時系列で作業行程(査読、入稿、初校、初校戻し、責了など)を示して完了した日付を入れるようにしました。

③執筆者や査読者との原稿のやりとりは、原則、PDFファイルのメール添付にしました。
執筆者との校正紙のやりとりは、この方法が執筆者にとってもこちらにとってもコスパがいいです。

ただ、査読者へのPDFファイルやWordファイルのメール添付は、こちらに少しストレスがかかります。
執筆者の個人情報を削除する必要があるためです。

本文中の氏名・所属等の個人情報は比較的簡単に削除ができますが、PDFファイルやWordファイルのメタデータを削除することにかなり神経を使います。

Wordのメタデータにデータ作成者が残っていると、PDFに変換した際にPDFのメタデータにもデータ作成者が残ってしまうようです。

今のところ一番簡単な解決策は、Wordデータを紙に出力して、スキャンで読み込んで、PDFファイルにする方法です。
ずいぶんとアナログな方法ですが、早いです。

ちなみに、査読者にとっては、PDFファイルでサクッと原稿を送ってもらうほうが気軽なようです。

PDFファイルにパスワードを設定して、パスワードは別のメールで送っています。このやり方は変えたほうがよさそうです。

世の中には査読システムというのがあるようです。
査読者の選定から依頼、原稿の受渡し、査読報告書の提出までをシステム上でやってしまうようです。
切実にほしいです。

査読依頼のことは別のnoteで書こうと思います。

また

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