衣服の衝動買いを防ぐ工夫
「Tシャツを何枚も買ってしまい、収納場所がない」「20代のころのハイヒールをまだ持っている」「ブランド品をいただいたけど使わない」など、持ちすぎの悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
また、いろいろ持っているはずなのに、何か足りない……と、衝動買いした経験のある方もいらっしゃるのでは?
わかっていてもしてしまうムダな買い物、衝動買いを防ぐためにはどうしたらよいでしょう?
持っているものをすべて出して、数えてみたAさん
育児に追われるようになって、スカートとは無縁の生活になってしまったというAさん(30代)。普段の暮らしでは、Tシャツにジーンズというラフな服装なのに、マンションの少ない収納スペースには衣類がぎっちり。友の会(『婦人之友』の読者の集まり)で、「衣服の持ち数を数えてみよう」ということになりました。
子どもたちが昼寝をしている間に、数えてみると145点。45 歳~50 歳を中心にした女性の平均、約120点(日本衣料管理協会 平成30年年度調査)よりも多いことに自分でも驚いたそうです。そのうち、35点は6年ほどほとんど着ていないものでした。着ることができても着る機会がない、サイズ的に着られないものも、処分に踏み切れずにタンスの肥やしと化しているものがいかに多いか、どこかで気持ちの切り替えが必要だと感じ、思い切って処分をしました。その時、悩んで処分できなかったものは「一考の余地あり“箱”」に入れて、次のシーズンにもう一度手にしてみると、「もういらないかな」と、すんなり決断が出来ました。
なにをどのくらい持っているか把握すると、なぜいいの?
実例1 〜Bさんの場合〜
「たんすの中は満員電車状態だった」というBさん(40代)は、オリジナルのフローチャート(下記)を作って、衣類整理に取り組みました。
その結果、持ち数は94点に(下着類は含まない)。「自分に似合う色、手入れしやすく、動きやすい素材、体のラインとも調和のとれたデザインなどをよく考えた上で、新しい服を加えていきたい」と、衣服をそろえる方針がはっきりしました。
実例2 〜Cさんの場合〜
Cさん(60代)は、家を新築した20年ほど前に、2畳ほどのウォークインクローゼットをしつらえました。アイテムごとに分類し、一目でわかり、取り出しやすい状態で収納されています。住まいや暮らしが変わらないこともあり、衣の持ち数は20年余りで86点。この数を目安に「小物や色づかいでその年らしく着こなす工夫をすると、新しい装いに見えるので楽しい」そうです。
実例3 〜Dさんの場合〜
50代のDさん。収納場所の引き出し(奥行きがある)の中を、トップ、ボトム、下着類に仕切り、一目でわかる入れ方にしたら、コーディネートもしやすく、うっかり買いもなくなりました。
衝動買いを防ぐチェックポイント(Aさん)
衣服の持ち数を調べてみることで、自分の今の生活に必要な衣服はどういうものか見えてきたAさん。死蔵品を増やさないためには、衝動買いをしないことが一番と考え、そのためのチェックリストを作ってみました。
予算を意識することも、衝動買いのブレーキになるとのこと。
「予算はひとつの目安、必要があれば予算を少しオーバーしても……洋服を選ぶときの楽しさ、これ下さい! と言った時の幸福感や、包みを抱えて買える時の満足感は気持ちがいいものです」
育児で毎日の買い物もままならないAさんにとって、衣服費は娯楽費という意味合いも。でも、「必要」の中身を吟味して、衣服費を管理したいと考えているそうです。
「山﨑美津江さんの衣類ラクラク管理術」
『帰りたくなる家 家の整理は心の整理』の著者・山﨑美津江さん。着ない服が少ないという、山﨑さんの衣類管理のルールは下記の6つです。
ルール①②で、無駄な買いものがなくなったそうです。
①は、収納スペース(1人1m分のクローゼット)という基準を守り、折々に「今必要か? この先活用できるか?」を考えているから。
②は、50代のころ、友人とプロのコーディネーターにアドバイスを受けて、「似合う色、柄」を勉強。以来、買いものには、似合う色に印をつけた見本帳を持参しているそうです。
『明日の友』244号では、「増やさずすっきり 衣類の整理」を特集しています。こちらも、ぜひご覧ください!
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