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家計簿をつけているから言える、この一言!

 節約したいから「家計簿」をつけるという方もいらっしゃるでしょう。
 もちろん最初の入口は、人それぞれ。でも、実際に記帳を続けると、節約・・だけではく、お金の使い方から見えてくるものがいろいろありそうです。家計簿をつけている方が、家計簿をつけているからこそ、「言える一言」を『婦人之友』の記事から拾ってみました。みなさんの「経験」には、家計簿を続けるヒントにあふれています!

自分の生き方が予算になる
 家計簿記帳をはじめて5年。忙しさにまぎれて空白なページもありますが、予算の大切さを理解するにしたがい、家計について考えることの意味深さを知りました。前年の数字から、来年はこのくらいと見込んで予算を立てていましたが、家計簿の先輩から、「あなたの生き方が家計簿になるのよ」と教えられたのです。こういう暮らしがしたいから、これだけ必要と考える! さっそく、夫と子どもも一緒に、今の生活を見つめ、一つ一つの費目について、このままでよいか、どう変えるか、話し合いました。習い事にはいくらかけてもよい、将来のためにと、親が勧めた習い事も多かったのですが、娘たちから「これはやめる、これは続ける」と、はっきりとした希望も出てきました。生き方を考えることの大切さ、考える習慣を家族で身に着けはじめ、日々の暮らしに前向きに取り組めるようになりました。

夫40代 妻30代

 家計簿が的確な答えを出してくれる
 家計簿をつけるようになって16年。はじめは集計した数字の意味を読みとることもできずに続けてきたものの、いつの間にか、家族の転機となることが起きるたびに、的確に答えを出して、行く道を指し示し、これからの生活のビジョンをつくり出すのが、ほかならぬ家計簿になっていました。これからも夢のために、暮らし方、生き方を映す家計簿とともに、家族が気持ちを合わせ生きてゆけそうです。

40代

 欲望の整理ができるようになりました
 家計簿をつけて10年、ライフプランを立ててみて、子どもたちが大学に進学する10年間は、わが家の教育費の山となる時期。貯金引出しの生活が予想されます。昨年は屋根と外装の塗り替えもあり、住居家具費が純生活費の50%に。住宅に関する返済金は純生活費の30%以下でないと、生活が厳しいと言われるので、本当に大きな数字でした。「あったら便利だけど、なくても暮らせる」ものは、今のわが家では「がまん」です。家計簿と向き合うことで、欲望の整理ができるようになりました。

40代

減収は、生活を見直すチャンス
 昨年4月から、給料が11%ダウン。不景気だから仕方ないとはいえ、収入ダウンはショックでした。私が仕事に出ることも考えましたが、子どもがまだ小さいので、できるだけ家にいてほしいという夫の意見もあり、「今は、生活の中の無駄を見直すよいチャンス。と思うようになりました。
 お給料の中でやりくりして貯金もできていたので、家計簿をつけて切り詰めた生活をする必要はない、記帳も窮屈で、面倒だと思えて、付けたりつけなかったり。
 しかし、初めて家計簿を続いけて記帳してみると、厳しい現実の中でも「今度はどこを工夫しようか」と考える楽しみがわき、前向きな気持ちで暮らすようになりました。一年記帳できた家計簿は、私の宝物です。

夫40代 妻30代

 生き方、考え方まで変わりました
 予算を立てるようになり、「ついつい買い」が減りました。在庫があるとつい使いすぎることがわかり、ものを大事に使う気持ちや必要なものだけ買うという暮らしが身につきました。「公共費」の考え方に出合い、人のために力を出したいと思うようになり、昨年までお世話になっていた「子育て支援コーナー」でお手伝いしています。お金の使い道を知りたくてつけ始めた家計簿が、こんなにも生活に密着し、生き方、考え方のもとになるとは! 思いがけない、家計簿からのプレゼントです。

夫40代 妻30代

 生活実感が数字に現れる面白さ
 記帳を挫折する難所に「旅行」「引越し」「出産」の3つがあるとか。3月に引越し、8月に2週間の帰郷、予算オーバーと、挫折しそうな状況に。それでも、記帳が続いたのは、「生活の実感」を数字で確かめられる面白さでした。「今月はなんとなく、無駄遣いしなかった」と感じていたら、予算を守れています。「外食が多かった」と反省したら、主食費がすごい数字に! これが面白いのです。自分の生活感覚が家計簿の数字で再確認できる、実感と数字がぴったりあう心地よさを身をもって経験しました。

40代

 今こそ、使うとき
 夫の会社が突然倒産。私が働きに出ようと思いましたが、50歳を過ぎての仕事はなかなか見つかりません。家計簿をつけて8年。「羽仁もと子案家計簿」には、「生活準備金」を持つことを勧めていて、私も積み立ててきました。眠れない夜を幾夜も過ごし「今こそ、このお金を使うとき」と覚悟を決めました。幸い夫の再就職が決まりましたが、収入は以前の60%。預金引き出しの生活がしばらく続きます。

50代

 税金、こんなに払っているの
 家計簿を使い始める前は、給与明細書まで目を通さず、手取額しか見なかったので、いくら払っているのかも知りませんでした。「税金って、ずいぶんたくさん払っているんだ」と気づいてからは、ニュースで無駄に使われたことを聞くと腹立たしく、みんなが一生懸命働いたお金なのだから、大切にしてほしいと思うようになりました。

30代

 1円のうそもない
 夫とこづかいのことで口論になったとき、「君は好き勝手にお金をつかっているじゃないか」と言われ、当座帳と家計簿、電卓を揃えて、「1円のうそも書いていません・今夜からわが家の大蔵大臣を代わりましょう」と言い切ったのです。夫が一生懸命働いたお金を、1円の迷子も行方不明の出していないと言い切れた自分に、我ながらすごいことができたと驚きました。

40代

まとめ 家計簿を記帳していると、隣の芝生(他人)が気にならなくなります


 「お金の使い方は、命の使い方」ともいわれるように、「わが家の経済」の道筋を決め、自分の生活はこうと決めると、周囲に惑わされなくなります。
 岐阜大学の大藪千穂教授は、2020年の「家計簿の夕べ」*で、「これからの時代に必要な3つの力」が家計簿をつけていると身につくと発言されました。

想像力→生活の仕方を変える力となる
情報力→正しい情報を見極める
忍耐力→自律しながら楽しみを見つけて健やかに過ごす

第3回「家計簿の夕べ」大藪千穂教授の講演から

 時間、エネルギー、お金といった限られたものを、社会や家族の中で配分するときに、この3つの力が役立つのではないでしょうか。家計簿記帳で身につくのは、節約力だけではなく、貯蓄力や生活力、決断力、上の3つの力と、いろいろありますね。

注・「家計簿の夕べ」は、家計簿普及促進委員会(マネーフォワード/Zaim/マネーツリー/スマートアイデア/婦人之友社/ときわ総合サービス)が主催するイベントです。

婦人之友社発行の3つの雑誌には、家計に関する記事がたくさん! ぜひお読みください

『婦人之友』2月号「暮らし・家計を4分の3に 老後資金を貯める」
『婦人之友』1月号「kakei+ で家計簿記帳を続けたい」
『婦人之友』2021年12月号「コロナ禍、夫の収入が激減」
『婦人之友』2021年11月号  家計特集「いまだから 前向きになれるお金の活かし方」

『明日の友』 254号 秋 特集「年金を生かす暮らし方」
 年金生活を心豊かに暮らす工夫にはどんなことがあるでしょうか。税金、社会保険料の負担が増え、年金受給額が年々目減りするなかで、わが家らしい暮らし方を考えます。

『かぞくのじかん』 Vol.57 秋
特集「いちばんわかりやすい お金の『見える化』」
 暮らしがスッキリまわる実例や、次の一歩を見るための「家計診断」など、家計にまつわるノウハウをたっぷり掲載。「見える化=可視化」で、きっと新しい日々がはじまります。


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