今から100年以上前に、婦人之友社の家計簿は生まれました。私たちにとってはるか昔のように思いますが、その時代を生きた羽仁もと子の視点は決して古いものではなく、今にも通用する考えを持っていました。特に一家庭の経済という視点から、それは結果として、国の、社会の礎となることを以下のように書き残しています。
今を生きる私たちは、日々の生活に追われがちですが、それぞれの家庭には、こうありたい、こうしたいという願いがあるでしょう。わが家の経済は必ず社会の経済に通じていて、幸せな家庭を願うと同時に、それは社会の願いへとつながっているのだと思って生活をすることが、大切なのだと羽仁もと子は語っています。そこから生まれた『羽仁もと子案家計簿』は、今も多くの方に愛用されています。
ただの出納帳ではなく、家計簿はそれぞれの家庭、社会の願いを乗せたものでありたいですね。